専門家からのアドバイス:科学論文を読む習慣をつけよう

専門家からのアドバイス:科学論文を読む習慣をつけよう

何かに秀でようと思ったら、しっかりとした基礎的スキルが必要です。また、そうした基礎的スキルはすべて時間をかけて積み重ねられた訓練と経験から生み出されます。科学の研究は複雑な仕事なので、研究者には リサーチ・クエスチョンの選択、研究プロジェクトの計画、実験データの分析、論文執筆にかかわる初歩的なスキルが必要とされます。さらに、訓練と、研究プロセスへの個人的な関与をふまえて、論文のレビューや学術的な報告書に熟練することが、スキルや経験を得るためには不可欠です。

しかし、一番重要なことですが、研究者は論文を読むことを毎日の仕事の一部にしなければなりません。大学院生の間だけではなく、研究の職業についている間はずっと日課にしておくべきです。スキルを発達させるにはこれが基本だと思いますが、実際には、多くの学者、そして院生でさえも、文献を定期的に読んでいないのです。
 

助成金への応募、研究企画書の下書き、データ分析、論文執筆を行うとき、研究者の論文の読み方は通常、非常に受身です。長い目で見れば、成功を収めるかもしれないのに、科学研究への心からの興味を失い、物質的な恩恵のためだけに仕事を続けるのでしょう。文献を読む習慣により、感謝の気持ちと科学への情熱が生まれるので、科学的研究にとって文献講読は欠かせません。

 

論文を読む習慣は、長期間のトレーニング、あるいは情報収集への関心によって養われます。 文献講読の習慣を強固にし、その利点を楽しんだほうが良いです。学者が毎日の読書に対する関心をなくしてしまう理由はたくさんありますが、中でも一番重要なのが、文献講読の楽しみを経験していないか、あるいは科学の利点に感謝していないことです。何であろうと、心をこめなければうまくやるとはできません。ですから、文献講読への関心を深め、その喜びと科学の美しさを経験するにはどうしたらよいか、知っておくことが大切です。

 

文献講読の習慣は少しずつ身についていくものです。最初のうちは、無理やり専門分野・専門科目以外の文献を読み、あらゆる種類の科学文献を探求する状況に自分を追いやらないといけないかもしれません。 これにより、新しい研究のアイデアや理論が発見できるようになり、そのうち科学のもつ多様性と新奇性に感謝するようになるでしょう。それがまた、文献講読への関心を持続させるために、重要な役割を担うのです。

 

また、文献講読への関心を維持するには、常にコミュニケーションをとっている必要があります。論文を読むとき、私たちは作者に連絡を取ることができますし、あるいは自分の考えや疑問を仕事仲間や同僚と話し合うこともできます。このような具合で意見交換が可能になり、それは刺激的なものになることがあります。他者の論文に対する意見を表した意見論文を書くことで、考えを伝えることもできます。意見論文は、自分の心に情報をとどめておく手段でもあります。私は、自分が書いた論文の内容を長い間覚えておけるということに、ブログを書いているとき気づきました。関心のあるどんな分野であっても、完璧に理解するためには、この文献講読の習慣が必要不可欠です。

 

このように、研究者にとって文献講読は、毎日の訓練課程の役割を果たせるわけです。毎日、読み、書き、議論し、アイデアを考える。研究者はこうしたよい習慣を養わなければなりません。

 

 

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