査読依頼を断った方がよい状況とは
査読は、学術出版の土台を支えているものです。査読者は学術出版の門番として、疑わしい研究を排除することや、出版論文の質を向上させることに大きな責任を負っています。ジャーナルに投稿される論文の数は年々増えているため、査読依頼の件数も同様に増えています。複数の査読案件を同時に抱えている査読者も珍しくありません。査読依頼を受ければ、研究者としての評価が高まり、キャリアアップにつながることは確かですが、ときには依頼を断った方がよいケースもあることを理解しておく必要があるでしょう。このインフォグラフィックには、査読依頼の辞退を検討すべき状況と、そうした状況にあることを編集者に伝えてから依頼の受け入れを判断した方がいい状況をまとめました。
※こちらの図は、PDF版のダウンロードが可能です。プリントするなどして、参考資料としてお気軽にご利用ください。
査読依頼を断った方がよい状況
1. 潜在的な利益相反がありそうな場合
以下のような場合は、編集者に知らせて、査読依頼の辞退を検討しましょう:
・著者と個人的なつながりがある(例: 同僚や家族など)
・研究によって直接的または間接的な金銭的利益を得る
・過去数年の間に、著者と共著論文を執筆した
・著者への指導経験がある
・依頼を受けた研究と類似した研究を行なっている
・著者や研究テーマに対して、中立的な姿勢を持てない
2. 依頼された研究分野に、十分な専門性を持っていない場合
以下のような場合は、査読依頼の辞退を検討しましょう:
・研究テーマについて正当な評価を下すための十分な知識を持っていない
・研究に専門外の分野が絡んでいる
・著者が使用している研究手法について、十分な知識がない
3. 期限までに査読を完了できそうにない場合
以下のような場合は、編集者に知らせて、査読依頼の辞退を検討しましょう:
・個人的な予定が入っている(例: 旅行や育児休暇など)
・本業の都合で、期限に間に合わない(例: 学会の出席など)
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