7つの一般的な査読方式
査読(ピアレビュー) とは、それぞれの分野の専門家が、科学的・学術的成果物を評価することです。査読は学術出版に不可欠なプロセスであり、各ジャーナルが設けている対象範囲やクオリティの基準に合った論文のみを出版するためのプロセスです。各ジャーナルには、それぞれのアプローチ法や理念に基づいた独自の査読プロセスがあります。査読は時代とともに進化しており、今日の学術出版界にはさまざまな査読方式があります。以下の図は、現在使われているもっとも一般的な査読方式をまとめたものです。
7つの一般的な査読方式
1. Single Blind Peer Review(シングルブラインド・ピアレビュー、一重盲査読)
著者には、査読者が誰なのか分かりません。査読者には、論文のアクセプト/リジェクトを決める時点も含め、査読プロセス全体を通して著者が誰なのか分かった状態で進められます。
2. Double Blind Peer Review(ダブルブラインド・ピアレビュー、二重盲査読)
編集者は、著者にも査読者にも互いの素姓を明かしません。この方式では、氏名や所属などの個人情報はすべて伏せられた状態でプロセスが進められます。
3. Open Peer Review(公開査読)
著者も査読者も、互いに誰なのかが分かっています。この方式では、最終原稿と共に、査読者のコメントとそれに対する著者の回答も出版されます。
4. Collaborative Peer Review(共同査読)
この方式では、ジャーナルが提供するプラットフォーム上で、著者と査読者が論文の改善について議論することができます。基本的に、査読者の素姓は著者に伏せられていますが、出版時に明かされることもあります。
5. Third-Party Peer Review(第三者査読)
ジャーナルに論文を投稿する前に、査読サービスを提供する独立機関に依頼する査読です。著者は、その査読結果に基づいて修正した原稿をジャーナルに投稿します。
6. Post-Publication Peer Review(掲載後査読)
ジャーナルは、出版済み論文について議論ができるディスカッションフォーラムなどのプラットフォームを提供しています。プラットフォーム上に公開された出版済み論文は、不特定多数の読者が読んでコメントすることができます。
7. Cascading Peer Review(カスケード査読)
ジャーナルが、掲載の優先順位が低い、自誌の読者の関心を集めないなどの理由で論文をリジェクトした場合、著者に、別のジャーナルに投稿して査読を受けることを勧める場合があります。紹介されるジャーナルは、自誌の出版社が運営する別のジャーナルであることが一般的です。
※こちらの図はPDF版のダウンロードが可能です。印刷するなどして参考資料としてお気軽にご利用ください。
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