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質問: 出典を明記しても、同じ単語を使って文章を書いたら剽窃とみなされますか?
元の論文の文章とあなたの文章は非常に似通っています。引用していることが明記されてはいますが、剽窃とみなされる可能性もあります。文章をそのまま利用したいのであれば、引用符を用いるか、あるいは原文とは異なるようにパラフレーズし直すようにしましょう。以下は、私がパラフレーズした文章です。
In the study, the cysts that remained were examined 4 months after sclerotherapy using acetic acid. The volume of these cysts was found to be one-half that of the ethanol group. Additionally, the acetic acid group had a larger number of cysts that had regressed to less than 10% of the initial volume than the ethanol group.
使われている専門用語が同じでも、原文とやや違って見えることが分かると思います。剽窃のそしりを免れるためには、引用する文章をパラフレーズするよう心がけましょう。こちらのビデオでは、英文をパラフレーズする際のアドバイスをご覧頂けます。
単語が5つ重複していると剽窃とみなされるかどうかについては、明確なことは申し上げられませんが、そのようにプログラムされた剽窃チェックソフトもあるかもしれません。米国研究公正局(ORI)には、剽窃を避けるためのガイドライン26ヶ条が掲載されています。そのうちのいくつかをここに紹介します。
第1条: 倫理的な著者は、他人の貢献や自分の考えの出所を常に明確にする。
第2条: 他の著作の原文と同じ文章を利用する場合は、引用符で括らなければならない。
第3条: パラフレーズや要約をするにせよ、引用符で括るにせよ、自分の文章に利用する場合、出典はすべて明確にしなければらない。
第4条: 自分の言葉でまとめたり要約したりする場合は、1段落であれ1文であれ、そこには相当量の内容が含まれていることを自覚する。
第5条: パラフレーズや要約をする場合には、情報の出典を必ず明記すること。
第6条: 他人の研究論文をパラフレーズしたり要約したりする場合は、自分の言葉と文体を使い、他人の考えや事実の意味を変えずに、正確に表すこと。
第7条: 適切にパラフレーズする目的で、元の論文の文章に多大な変更を加える場合、著者は使用されているアイデアや専門用語を完全に理解していなければならない。
第8条: 責任感ある著者は、読者および引用元の著者に対する倫理的責任を持ち、他人の考えと言葉に敬意を表し、引用・借用元の著者に対してその功績を認め、パラフレーズするときにはできる限り自分の言葉を用いること。
CrossCheck、iThenticate、eTBLASTは評判のよい剽窃チェックツールです。どれも高い評価を得ていますが、個人的には、長い間にわたって評価を保っているCross Checkが良いと思います。eTBLASTの剽窃チェックで問題なかったのであれば、あなたの論文はおおむね安全圏にあると言えると思います。しかし、ソフトによるチェックだけで100%確実とはいえません。ソフトで探知されなかった点に、査読者が気づくこともあります。とはいえ、eBLASTを問題なく通った論文なら、ジャーナルでの剽窃チェックでも問題が見つからない可能性は高いと思われます。