- Articles
- New
本文中で引用する際の"et al." の使い方
研究者が自分1人だけで論文を発表することは珍しいと言えるでしょう。研究論文にはたいてい数名もしくは大勢の著者がいて、科学が協同作業で行われることが多くなるにしたがい、論文1報あたりの平均著者数も増え続けています。著者名発行年方式(ハーバード方式とも言います)で論文を引用する場合、名前を長く連ねていくと、ぎこちなく見えます。ですから、多くのジャーナルがet al.の使用を推奨しているのです。et al.とは、ラテン語のet alii やet aliaeの略で、「その他(and others)」という意味です。
著者が何名以上だったら、et al.を使うべきでしょうか? この点に関して、ジャーナルによってかなり違った対応を取っています。 American Journal of Tropical Medicine and Hygiene は、どんなに著者名の引用が長くなってもet al.の使用を避けています。How to Write and Publish a Scientific Paper [1] は、慣例では4人以上の著者がいる場合にet al.を使うとしており、Chicago Manual of Style
「著者が3人いる研究を引用するときは次のいずれかの対応が可能である。
(1) 最初に3人全員の名前を挙げ、次からet al.を使う
(2) 引用の際は常に3人全員の名前を挙げる
(3) 常にet al. を使う。ただし「著者数が4人以上の場合には、常にet al. を使うこと」 [3]
アメリカ心理学会(APA)[4]では、著者が1人または2人の論文と、著者が3人以上の論文で区別しています。著者が1人または2人の場合は、全員の著者名を挙げることを推奨しており、3人以上の著者がいる場合は、第一著者名に続いて他の著者をet al.で示すことを推奨しています。
ですから、本文中でet al.を引用するときは、投稿先のジャーナルの投稿規程と最新号をよく研究してから、本文中の引用スタイルを整えるのがベストです。
引用スタイルについて詳しく学びたい方に、こちらのコースをおすすめします:
How to provide correct citations and references for your research
[1] Day R A and Gastel B. 2006. How to Write and Publish a Research Paper, 6th edn. Westport, Connecticut: Greenwood Press. 320 pp.
[2] University of Chicago Press. 2010. The Chicago Manual of Style, 16th edn. 1026 pp.
[3] https://authornet.cambridge.org/information/productionguide/stm/text.asp
[4] American Psychological Association. 2009. Publication Manual of the American Psychological Association, 6th edn. Washington, DC: APA Press. 272 pp.
View Comments