科学的文章の書き方: 文の冒頭を数字や省略形にしない

科学的文章の書き方: 文の冒頭を数字や省略形にしない

スタイルに関して、多くのジャーナルでは、数字や省略形で文を始めないよう勧告しています。けれども、laser や radar のように、頭字語そのものがすでに単語として広く認められているか、もしくは組織名 (たとえばNASA やCERN) を表している場合には、一般的には頭字語が冒頭にきても良いとされています。

 

典型的な研究論文の「結果(Results)」のセクションでは、“15% of the plants survived” や “48% of the patients recovered”のように、数字で文を始めたほうが書きやすいと感じる方もいるでしょう。こういう場合には、“Fifteen per cent of the plants . . .” や“Forty-eight per cent of the patients . . .”と数字のスペルを書くか、“Of the treated plants, 15% survived” や“Nearly half (48%) the patients recovered”のように文を言い換えます。ちなみに、イギリスの出版社では“per cent” (二語) がよく使われますが、アメリカの出版社では “percent”の方が好まれます。

 

文頭に来る省略形の場合も同じことが言えます。スペルを書くか、言い換えましょう。学名の場合、初出時は属名をすべて書きますが、それ以降は属名を一文字目だけに省略します (たとえばAspergillus niger(黒色アスペルギルス)の場合、初出時にはAspergillus niger と書きますが、それ以降は属名のAspergillus を略してA. niger と書きます)。けれども文頭では、属名のスペルをすべて書いたほうがよいでしょう。

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