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質問: 学位審査に臨む上で重要なこととは?
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回答:
まずは、ここまで学位論文を書き進められたことを称えたいと思います。研究プロポーザルから論文本体に至るまで、コツコツと丁寧に取り組んでこられたことと思いますので、その論文に基づいて行われる学位審査への準備と対応は、それほど難しくはないでしょう。
ただし、次のことを押さえておきましょう。学位論文は、IMRaD形式で執筆されたのでしょうか。この形式は、どちらかといえばジャーナル論文向けの形式ですが、その基本構造は、学位論文にも適用できるものです。したがって、この構造に沿ってプレゼンテーションを組み立てるとよいでしょう。その際は、以下の点に答えるものにしましょう:
- 研究テーマを選んだ理由
- 分野における研究テーマの重要性
- テーマを選ぶ上で、また、研究の中で、(さらなる情報収集と明確化のために)どのような調査を行なったか
- 研究の土台となる理論的枠組み
- 研究方法と、その方法を選んだ理由
- テーマに関連する主な結果(今後の研究につながる可能性のある、重要な補足的結果も含む)
- 結果の分析
- 結果が、分野や対象者にとってどのように役立つか
- 結果に基づく今後の研究の方向性(研究が持つ意味など)
ただし、審査員は(おそらく)すでに学位論文に目を通しているはずなので、過度に詳細な説明は控えましょう。プレゼンテーションは、論文全体について語るような書き方を心掛けましょう。
具体的な執筆や準備とは別に、学位審査に臨むにあたっては、以下の点にも留意しましょう:
- 学位審査の前に、指導教官と、ほかの審査員が疑問を挟む余地がなくなるぐらいまで、論文の細部について話し合っておきましょう。指導教官の協力がなければ(その度合いの差はあれ)、残念ながら学位審査はうまくいかないでしょう。このことは、研究者の実体験が綴られた次の記事からも明らかです:I failed my dissertation defense. But I am not a failure
- プレゼンテーションのサンプルを、インターネットで探してみましょう。こちらの例も参考にしてください。
- 効果的な準備やプレゼンテーションについては、以下のコースもご活用ください:
- (新型コロナウイルスの影響で)学位審査がオンラインで行われる場合は、接続やタイムラグなどの技術的な問題にも対応できるようにしておきましょう。
- 審査がオンラインで行われる場合は、同じ状況で学位を無事に取得した、こちらの体験談に目を通してみてください:How I defended my dissertation online
学位審査は、学位取得のための最終ステップなので、不安と期待で胸が一杯になることでしょう。しかし、最初に述べたように、ここまで一生懸命取り組んできて、さらに上記の点を十分に理解しているなら、この最後のステップも、(願わくば、たやすく)乗り越えられるはずです。無事に学位を取得できることを願っています!
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