エコノミスト・スタイル・ガイド第10版

エコノミスト・スタイル・ガイド第10版

イギリスの週刊誌エコノミストは研究論文誌ではありませんが、文体の明快さと精密さでは定評があります。エコノミストは毎週毎週どうやって発行されているのでしょうか? エコノミストのスタイルガイド(2、3カ月前に第10版が発行)の功によるところがあるのは間違いないでしょう[1]。newspaper's websiteでもこのスタイルガイドの大部分を読むことができます。

エコノミスト・スタイルガイドは他のスタイルガイドと異なり、文章を書く技術、つまり単語を選び並べることに多くのスペースを割いています。出だしの部分を見てみましょう。「エコノミストが常にこれだけはライバル誌に勝ちたいと思っているのは、たったの2点である。1つは、分析の質、もう1つは文章の質である。[.中略..] エコノミストで必要な第1の条件はわかりやすさだ。明快な文章には常に明快な思考が宿る」。スタイルガイドの第1章には、文章を明快かつ簡潔に、そして正確に書くアドバイスが述べられています。第2章では、文章の書き方(スペル、句読点法、慣用法、構文)に関するアメリカの慣習とイギリスの慣習の重要な違いに焦点が当てられています。第3章は、参考として役立つその他の情報を集めたものです。

明快な文章へのこだわりは、スタイルガイド全体を通じて見られ、あいまいなことが多い流行りの言葉を使うことに対し、警告や簡潔なアドバイスという形で示されています。代表的な項目を見てみましょう。「Venues 使用を避けること。Placesを使う」、「Viable  生きていくための手段があるということ。例えば、線路のようなものに対しては使わない。「Economically viableとはすなわちprofitableということである」、「Factoid  事実のように見え、多くの人に事実だと思われている(おそらく非常に何度も繰り返されたために)が、本当な事実ではないこと」

助成金申請書、論文、報告書などの、幅広い読者層に向けて実際に何かを書くとき、エコノミスト・スタイルガイドが頼れるガイドになることは間違いないでしょう。

[1] The Economist Newspaper. 2010. The Economist Style Guide: the bestselling guide to English usage. 10th edn. London: Profile Books. 264 pp.

 

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