的確な論文タイトルをつけるコツ

的確な論文タイトルをつけるコツ

論文のタイトルは、査読者、ジャーナル編集者、読者が最初に目にする部分です。タイトル次第で、その論文に興味を持つかどうかが決まってくるともいえます。そのため、研究の内容がはっきり分かり、なおかつジャーナル編集者や査読者、読者に読みたいと思わせるような、興味を引くタイトルをつけることが重要です。

適切なタイトルをつけるヒントとなるアドバイスを、いくつか挙げてみます。

 

1. 短く、かつ興味を引くものにする。

良いタイトルとは、研究内容を簡潔明瞭に読者に伝えるものです。タイトルには、余計な詳細を入れないようにしましょう。例えば、実験グループや対照群のサンプル数、使用した機器の製造所の詳細については、そのような情報が研究内容に関係のない場合、タイトルに含める必要はありません。タイトルには、能動態が使われることがほとんどです。(つまり、“y is caused by x”ではなく、“x causes y”。) また、適切な論文タイトルの長さは、だいたい10~12単語です。学術誌にタイトルの単語数制限があれば、必ずそれに従いましょう。タイトルが長すぎると、読者の注意が重要なポイントから離れて行ってしまいます。例を挙げてみましょう。

悪い例: Drug XYZ has an effect of muscular contraction for an hour in snails of Achatina fulcia species
(薬剤XYZはアフリカマイマイ科のカタツムリに一時間にわたる筋収縮という影響をもたらす)

良い例: Drug XYZ induces muscular contraction in Achatina fulcia snails
(薬剤XYZはアフリカマイマイに筋収縮を引き起こす)

 

2. 関連性のある説明的なキーワードを含める。

効果的なタイトルには、原稿のキーワードがいくつか、あるいはすべて含まれています。また、研究の性質を定義することも重要です。そのためには、読者があなたの研究を検索しようとする際に、どのような単語を使うかを考えると良いでしょう。以下は、強力なキーワードを含み、なおかつ研究の意義を伝えることのできるタイトルの例です。

悪い例: Effects of drug A on schizophrenia patients: study of a multicenter mixed group
(統合失調症患者に対する薬剤Aの効果:複数の医療研究機関の混合グループによる研究)

良い例: Psychosocial effects of drug A on schizophrenia patients: a multicenter randomized controlled trial
(統合失調症患者に対する薬剤Aの心理社会的効果:複数の医療研究機関によるランダム化比較試験)

 

3. 読者をうんざりさせるような略語や専門用語を使わない

AIDSやUNICEFなどのように、略語が世界的によく知られている場合を除き、タイトルに略語を入れないようにしましょう。読者になじみが薄そうな、あまりよく知られていない略語や、高度に専門的な略語を使うと、論文に興味を持ってもらえなくなってしまう可能性があります。例えば以下のような例が挙げられます。

悪い例: MMP expression profiles cannot distinguish between normal and early osteoarthritic synovial fluid
(正常な滑液と初期の変形性関節症の滑液において、MMPの発現プロファイルに違いは見られない)

良い例: Matrix metalloproteinase protein expression profiles cannot distinguish between normal and early osteoarthritic synovial fluid
(正常な滑液と初期の変形性関節症の滑液において、マトリックスメタロプロテアーゼのタンパク質発現プロファイルに違いは見られない)

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