数字とデータ:お客様向けガイド

数字とデータ:お客様向けガイド

たいていの場合、コピーエディターは、数字について正しいスタイルに合わせるよう注意しています。例えば温度を表わすとき、ジャーナル編集者の中には、数字と単位(°C)の間のスペースは省くように求める者もいれば、スペースをつけるよう求める人もいます(39°C と 39 °C)。けれども、研究者にとって、数字はその値こそが重要です。この記事では、数字についてのお客様向けガイドというべき本を紹介します。

J G Koomey著Turning Numbers into Knowledge  [1]では、数字のもととなったもの、収集方法、数字から導き出される結論が妥当であるかの検討によって、数字と数値データを判断することについて書かれています。効果的なグラフ・表の作成と、プレゼンテーションに数値を使うことについての章は、本ブログの読者と特に関係があるでしょう。

この本で一番重要なのは、データに裏付けられた結論が示された時に持つべき、正しい疑問に関するくだりです。10章からなり、批判的思考への簡潔なガイドになっており、"All numbers are not created equal(すべての数字が等しく作られているわけではない)"、"Question authority(権威を疑おう)"、"Distinguish facts from values(事実と価値を区別しよう)" などの章があります。 "How guesses become facts(どうやって推測が事実になるのか)"という章では、2つの事例研究を挙げ、「手の込んだスプレッドシートやグラフに支えられ、非常に限定的に観察されたデータ、容易に算出できる計算、直観的な推量や純粋な当て推量」として人生を始めた統計データが、反復されることにより確かな事実とみなされるようになった様子が描かれています。

実用的なアドバイス、洞察、事例がたくさん載っているので、数値データを使う研究者、生み出す研究者におすすめです。

 

[1] Koomey J G. 2009. Turning Numbers into Knowledge: mastering the art of problem solving. Oakland, California: Analytics Press. 247 pp. <www.numbersintoknowledge.com>

 

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