長期休暇から無理なく仕事モードに戻るためのヒント
多くの人にとって、ゴールデンウィークをはじめとする長期休暇明けの仕事初日は憂鬱なものでしょう。実際、勤め人の80%が、連休明けに「会社に行きたくない」と思ったことがあるという調査結果もあります。日本では、新年度による環境の変化に起因する緊張がゴールデンウィークによって緩み、仕事に戻りたくないという気持ちを抱えたままストレスフルな職場に戻ることで、心身に不調が生じる「五月病」と呼ばれるメンタルヘルスの問題があります。五月病は適応障害やうつにもつながり得る深刻な問題で、あるアンケ―ト調査では、約4人に1人が五月病を経験したことがあると回答しています。また、若い働き手ほど五月病を経験する割合が高く、20代の女性の約40%が「五月病になったことがある」と回答していることからも、誰もが経験し得るものであることが分かります。
学術界では、多くの若手研究者が論文出版、助成金獲得、昇進などのプレッシャーに追われており、メンタルヘルスの問題を抱える割合が一般社会の6倍も高いと言われています。このような過酷な環境に身を投じる多くの研究者たちが、連休明けにどのような気持ちになるかは、想像に難くないでしょう。
平時の連休であれば、それぞれが思い思いの時間を過ごし、心も体もリフレッシュして万全な状態で仕事に戻ることもできたでしょう。しかし、去年に引き続き、コロナ禍の中でゴールデンウィークを迎える今年は、(とくに緊急事態宣言発令中の地域では)旅行はもちろん、普段会うことのできない親戚や友人との再会や、近所のショッピングモールでの買い物すら満足にできない状況です。
したがって、ただでさえ憂鬱な連休明けに加えて、コロナ禍による不安やストレスが重なる今年は、自身の心身の健康にとくに気を配る必要があると言えるのではないでしょうか。この記事では、心身になるべく負担をかけないことを主眼に、研究者が連休明けに無理なく仕事の感覚を取り戻すためのヒントを紹介します。
無理なく仕事の感覚を取り戻すためのヒント:
・まずは慣らし運転から
受信箱に大量に溜まっている未読メールに惑わされず、まずは本当に重要な(急を要する)ものだけに集中し、残りはいつもの調子を取り戻してから対処するようにしましょう。
・やるべきことを明確化する
進行中のプロジェクトやタスクの状況を把握し、自分がやるべきことを明確化しましょう。たとえば、データ収集をお願いしていた同僚に進捗を確かめたり、投稿中の論文のステータスを確認したりすることでやるべきことが明確になり、スケジュールが立てやすくなるでしょう。
・To doリストを作る
To doリストの作成は、自分がやるべきタスクを整理し直し、優先順位を決めるのに役立ちます。ただし、休み明けすぐは一度にすべてをこなそうとするのではなく、無理のない範囲で1つずつタスクに取り組むよう心掛けましょう。
・楽しめること、リラックスできることから始める
最初から全力で「アウトプット」をして心身を消耗させるのではなく、分野の最新論文を読んだり、オンライン学習で新たなスキルを習得するなど、リラックスして「インプット」する時間を作ることで、徐々に脳を仕事モードに切り替えられるかもしれません。
R Upskill
R Upskillは、論文のフォーマット調整、助成金獲得、研究の宣伝、メンタルヘルスのケアなど、80種類以上の学習プログラムを揃えるオンライン学習プラットフォームです。5分程度で終わるコンパクトなプログラムから、動画、ウェビナー、ハンドブックなど、好みやその時の気分に合った学習スタイルを選ぶことができるので、脳を仕事モードに切り替えるための手始めとして活用してみてはいかがでしょうか。R Upskillの詳細については次の記事で詳しく説明されているので、興味のある方はぜひ参考にしてみてください: この未曾有の危機を、最大限に活用しよう
連休が明けて仕事モードに切り替えるために、あなたが気を付けていること、実践していることは何ですか?ぜひ、ご意見・ご感想をお寄せください。
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参考資料:
・https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000163.000012242.html
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