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学会発表を成功させるための8箇条
学会での研究発表は研究者にとって重要な場であり、若手研究者の多くは、貴重な経験を積める機会として前向きに捉えています。しかし、素晴らしい機会であるのと同時に、ほとんどの参加者にとって、恐ろしい場でもあります。経験豊富なベテラン研究者でも、大勢の人を前に話をするときは多少なりとも緊張するものなので、初めて発表をする若手研究者にとっては、そのプロセス全体が高い壁に感じられたとしても無理はありません。
学会発表を成功させるための鍵は、事前準備をしっかり行うことに尽きます。以下で、その準備の方法を紹介していきましょう:
1. 要旨は聴き手を意識して書く: 学会論文は、ジャーナル論文とは異なります。内容を、「読まれる」のではなく、「聴かれる」ということを意識してください。聴き手の集中力は、読む場合よりも持続時間が短いとされているので、シンプルかつ率直な内容にまとめましょう。また、序論、本論、結論という明確な文章構成を用いて、分かりやすく明快な文章に仕上げてください。専門用語は明確に定義し、要点は必要に応じて繰り返し説明するようにしましょう。
2. 制限時間を守る: 一般的に、学会の論文発表セッションは20~30分程度なので、それに応じた資料を用意してください。また、セッションの状況に臨機応変に対応できるような準備も必要です。前の発表者が時間をオーバーするなどして、20分の発表時間が10分に短縮されてしまった場合に備えて、概略だけを説明するような短いバージョンを用意しておきましょう。同様に、20分が30分に延長される場合もあるので、プラスアルファの情報なども用意しておきましょう。
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3. 人前(友人の前など)でリハーサルする: 人前で話すときは、同じ内容を黙読する場合よりも時間を要するので、事前に音読をして所要時間を把握しておきましょう。友人や鏡の前などで何回かリハーサルをしておくと、内容が頭に入り、自信もつきます。また、練習を録画しておけば、後で見返して客観的に改善点を見つけることができます。ただし、本番直前での練習のしすぎは、疲労や喉の枯れに影響するので控えましょう。
4. 自信も持って話し始める: プレゼンテーションは話し始めがとても重要です。最初の10~20秒で聴衆の興味を惹く必要があります。まずは、簡単に自己紹介をして聴衆の信頼を得ることが大切です。ここで何を話すかも、あらかじめ準備しておきましょう。言うべきことを厳選し、簡潔に自己紹介をします。以下は一例です: 「皆さんこんにちは!ニューヨークのミシガン大学大学院医学研究科から来ました、〇〇と申します。過去5年間はJJ病院の内科で働いていました。本日は、△△と題した発表を行います」。
5. 聴衆とアイコンタクトを取る: プレゼンテーションを始めるときは、笑顔を心掛けましょう。落ち着いて、深呼吸をしてください。リラックスさえできれば、聴衆との壁もなくなります。顔を上げてまっすぐ立つなど、姿勢にも注意が必要です。これにより、聴衆とアイコンタクトが取れるようになり、声も届きやすくなります。そして、原稿を読むのではなく、はっきり大きな声で、元気に話すようにしましょう。ただし、聴き手の全員が英語ネイティブであるとは限らないので、早口にならないように気を付けてください。程よく「間(ま)」を取りながら、話に対してリアクションをする余裕や、話を理解するための時間を与えましょう。この「間」は、あなた自身が落ち着いて、次に話すことを整理する時間にもなります。
6. つなぎの言葉を使う: 話が移行するときは、つなぎの言葉を使うようにしましょう。この言葉を挟むと、プレゼンテーションの流れがスムーズになります。便利なつなぎの言葉には次のようなものがあります: 「さらに(furthermore)」、「付け加えると(in addition)」、「その結果として(consequently)」、「その一方で(meanwhile)」「最後に(finally)」など。似た内容を繰り返す場合は、「同様に(A similar idea is)」、「もう一つ例を挙げると(Another example is)」などの言葉を始めに入れます。複数の項目を1つ1つ説明する場合は、全部でいくつの項目があるのかをあらかじめ述べた上で、「これにはいくつかの理由があります。一つ目は…、二つ目は…(There are reasons for this. The first reason is….; the second reason is)」などのように話すと、聴衆が話の現在地を掴みやすくなります。話題や視点が変わるときは、「次の話題に移りましょう(Let’s move to the next part of the presentation)」、「別の見方をしてみましょう(To move on to another idea)」などと述べたり、間を空けたりすると効果的です。
7. 質問や議論を積極的に受け付ける: 質問内容が理解できないときは、違う方法で言い換えてもらいましょう。答えられない質問が1つ2つあったとしても、落ち込むことはありません。質問をしてくれたことに感謝を示しつつ、その角度からはまだ検討できていないこと、ぜひ今後の課題にしたいという思いを伝えましょう。質問が出なかった場合は、自ら研究課題を挙げることで話題を作ることもできます。何度求めても質問が出なかったとしても、気にしすぎないようにしましょう。
8. 締めの言葉は自然に: 質問がないかどうかを確認し、自身の連絡先を伝えた上で、メールでの質問も歓迎することを伝えましょう。質問があれば答え、なければ、聴衆に感謝を示して壇上から降ります。プレゼンテーションが終わった後で、個別に質問や話をしに来てくれる人もいるので、すぐに退室はしないようにしましょう。
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参照文献:
- https://www.timeshighereducation.com/features/ten-tips-presenting-conference-paper
- http://www.lancaster.ac.uk/fass/organisations/canadian/general%20documents%20not%20password%20protected/presenting%20a%20conference%20paper.pdf
- https://www.experience.com/
- https://www.historians.org/publications-and-directories/perspectives-on-history/may-2008/conference-rules-everything-you-need-to-know-about-presenting-a-scholarly-paper-in-public
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