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有益で論理的な見出しを書くには
いわゆるIMRaD 形式(序、材料と方法、結果、考察からなる)に従っている多くの研究論文では、主見出しとして序、結果などが使われていますが、論文の扱う範囲と構造がぱっと見て読者にわかるように、適切な中見出しをつけることができます。読者は論文のタイトルを見て、面白そうだったら全体をざっと読み、図表と見出しに注目するのが一般的です。また、図表や見出しを見て期待できそうだと思ったら、アブストラクトを読むでしょう。ですから、見出しは論文への入り口として役立ちますし、効果的に書くのが大切です。いくつかアドバイスをしましょう。
組織図を書く: 一般的に言って、組織がどのように構成されていて、各部分が階層構造としてどのように配置されているか示すために組織図が使われます。見出しをつける目的もこれと同じなので、組織図を書き、論文の構成を明示しましょう。主見出しは最初の、一番上の段にきます。その下の段の中見出しを見ると、主見出しがどう分割されているかがわかります。小見出しは、中見出しのトピックをさらに分割したものです。組織図が完成したら、論文を書く時にもアウトラインとして利用しましょう。
水準は三つまでにする: 典型的な研究論文では、通常、見出しの階数は三つで十分ですが、レビュー論文、書籍の章、報告書の場合4つ以上でなければならないかもしれません。階数を三つまでにすることで、読者が論文をざっと読む時、何が対象になっているか把握することが可能になります。階数が多すぎると、全体像がかすんでしまうでしょう。
どの小見出しも一貫した文法構造を使う: 並列構造(“parallel structure”)と呼ばれる、一貫した文法構造が見られることがありますが、これは、ある見出しの下に置かれた見出しをすべて、名詞、句、文のいずれかで書くという意味です。例えばこの記事では、小見出しはすべて完全な文の形で書いてあります。また、作物学で行う野外実験について書いた論文では、主見出しの「方法」の下に、以下の小見出しが置かれています:栽培品種、種まき、肥料、害虫駆除、収穫。「種まき」の下には、「播種日」、「深さ」、「間隔」という小見出しがつけられているでしょう。
見出しはルートを示す標識のようなものであることを忘れずに。読者が快適にドライブできるよう、よく考えて選びましょう。
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