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学術論文における時制の使い分け
英語は汎用性の高い言語ですが、時制の使い分けに苦労する人も多いのではないでしょうか。とくに科学論文を執筆するときは、どの時制で書くべきかに頭を悩ませることでしょう。科学論文で使うべき時制は、IMRaD形式の各セクションによって異なり、それぞれのセクションにふさわしい時制があります。主題となっている研究プロセスの側面に応じて、使用すべき時制は、より細かく複雑になっていきます。以下の図は、研究論文を書くときに選択すべき正しい時制を、セクションごとにまとめたものです。この図を参考にして、論文出版というゴールに一歩近付いて頂ければ幸いです!
※こちらの図はPDF版のダウンロードが可能です。プリントするなどして参考資料としてお気軽にご利用ください。
【科学論文における時制の使い分け】
1. イントロダクション
以下の内容は単純現在形で書く:
・研究の背景と目的
・テーマに関する先行研究
・普遍的な一般的事実
[例:The Earth revolves around the sun.(地球は太陽のまわりを回っている)]
・自分の研究に関連する、事実と考えられる先行研究の結果
以下の内容は単純過去形で書く:
・過去に真実と考えられていたが、誤りであることが明らかとなった知見
[例:Bats were thought to be blind.(コウモリは盲目であると考えられていた)]
・先行研究の研究方法の説明
2. 文献レビュー
テーマに関連する先行研究の説明は、単純過去形で書く。ただし、複数の時制を組み合わせる場合もある:
・研究または著者に焦点を当てる場合は、過去形
・研究に関して自分の視点を語る場合は、現在形
・最近の先行研究を引用する場合、または過去の研究を一般化する場合は、現在完了形
[例:Recent studies have shown that… (最近の研究は…ということを示している)]
[例:Several researchers have studied these stimuli…(複数の研究者がこれらの刺激について調べている)]
3. 材料および実験方法
・自分が何をどのように行なったかを説明する場合、これらの行為がすでに完了している場合は単純過去形で書く
・初期段階の実験手順を説明するときは、必要に応じて過去完了形で書く
[例:Subjects who had been assigned to the control group were given a placebo instead of Drug A.(対照群に割り当てられた被験者には、薬品Aの代わりに偽薬が与えられた)]
4. 結果
・論文執筆時点で実験が完了している場合は過去形で書く
・結果を説明するために図表を引用する場合は現在形を使う
[例:Fig. 3 shows that…(図3が示すように…)]
・自分の論文をまとめる場合も同様
[例:Section 4.1 discusses…(4.1では…について述べている)]
5. 考察
・知見をまとめるときは過去形を使う
・結果の解釈や有意性、結論を述べるときは現在形を使う
・結果をもとにした今後の課題や必要な研究に言及するときは未来形を使う
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参考資料:
科学論文における時制の使い分け.pdf
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