研究者による研究者のためのフォーラム
研究者として生きるのは楽じゃない――この事実を、あるがままに見てみませんか?皆さんは、学術界の外の人には想像もつかないようなチャレンジをしているのです。実験をして、何時間も文献を読み、完璧な論文を書こうと努力し、出版のプレッシャーに立ち向かい、ネットワークの構築と維持に努め、研究生活の苦労を乗り越え、家族との貴重な時間をひねり出す…こうした状況に、皆さんも身に覚えがあるのではないでしょうか。
研究者や学術関係者のためのノウハウ(論文審査会への備え方、論文の書き方、助成金の申請方法など)を扱うプラットフォームやフォーラムは数多くありますが、研究者の個人的な思いや体験を語れる場は、そう多くありません。私たちはこの状況を変えたいと思い、研究者と学術関係者が自分自身について語るための場を設けることにしました。
研究者による研究者のためのフォーラム
エディテージ・インサイトに新たに設けられた研究者体験談のセクションでは、さまざまな職業や立場や文化的背景を持つ研究者や学術関係者から寄せられた、印象的な体験談の数々をご紹介しています。このフォーラムは、いま取り組んでいることについての思いを吐露して、さらに前に進むための集いの場になっています。最初は2、3件の体験談から始まったこのフォーラムは、いまでは400件超にまでに拡大しています。これらの体験談からは、研究者たちが日々どのような生活を送っているのか――忘れられない経験、成功や失敗のエピソード、自分自身の振り返り、私生活、キャリア、家族、人間関係――を垣間見ることができます。
このフォーラムには、あなたも参加することができます。皆さんも、ご自身の経験をシェアしてみませんか?
すべての研究者に物語がある――あなたの話を聴かせて!
私たちは、なぜ研究者や学術関係者の皆さんに、自らの体験を語ることを勧めているのでしょうか。世界には、780万人以上の研究者たちがいます。あなたも含めたこれらの研究者たちは、日々執筆に追われながらも、自らの経験を世界に向けて発信する機会はほとんどありませんでした。私たちは、このような状況を変えたいと考えています。
すべての研究者がかけがえのない物語を持っているはず――あなたについて語ってください!
あなたはこんな反応をするかもしれません。「とくにシェアするような話はありません。研究者なら皆同じような経験をもっているはずですから」。でも、そんなことはありません。研究者一人一人の背景や目標への道のりには、1つとして同じものはなく、すべての人が、語るべき物語を持っているのです。何年も否定的な結果が続いた後にリサーチクエスチョンが解けたときの達成感、学位論文の口頭試問がうまく行ったときの幸福感、最高の出来ばえだと思った論文がリジェクトされたときの落胆、ジャーナルに印刷された自分の名前を初めて見たときの気持ち、大切な人と一緒に過ごすために研究室を離れたときの高揚感…皆さんは「あのとき」、どんな気持ちになりましたか?
研究者として成功するためには、優れたライターにならなければならない、ということはすでにご承知の通りです。自分の研究について、ジャーナル編集者、査読者、読者の興味をかき立てるように述べる必要があるからです。つまり、研究者はストーリーテラーになければならないのです。そこで、違ったタイプのストーリーを語ってみるのはいかがでしょうか?研究者としての生活や経験を介して、自分自身について語るのです。
賞金がもらえるコンテストに応募しませんか?
現在、体験談コンテストを実施中です。体験談をシェアしてくださった皆さんに、賞が授与されます。
体験談をシェアすると、最大で5000ドルがもらえるチャンスが得られます!さらに、11月30日までに体験談をお寄せくださった方全員に、エディテージによる1000ドル相当の出版キットをお贈りします * (*諸条件あり)。
いますぐ体験談をシェアしましょう!もう少し考えたいという方は、以下で、体験談が持つ力について考えてみましょう。
体験談のパワー
私たちが皆さんの物語を世界中の研究者たちにシェアしたいと考えるのは、シェアすることによって、その物語はパワーを増すからです。自分では取るに足らないと思うような話が、はるか遠くの研究者にとっては、モチベーションになり、刺激になり、心を震わせるものになる場合があるのです。
- あなたの体験談をシェアすることで、ほかの研究者が励まされる
- 270万人超の学術コミュニティの一員として、体験談を通してつながれる
- ためらいや恐怖感なしに、自分の思いを安心してオープンに語れる場が持てる
どのような体験談をシェアすればいいのか
でも、一体どのような体験談をシェアすればいいでしょうのか?心配はいりません。学術界での道のりのなかで皆さんが強く心を動かされたことなら、何でも構わないのです。例えば、研究の道に進むそもそものきっかけになった出来事、研究室での忘れられない日々、研究における難しい課題を乗り越えたこと、仕事と家庭の両立など、さまざまな物語があるはずです!
さあ、キーボードを打ち始めれば、目の前にあなたのストーリーが形になっていきます!
執筆のヒント
エディテージ・インサイトに掲載されている体験談の中から、いくつか抜粋してご紹介します:
<ローリー・オーウェンズの場合>
論文審査会では不合格でした。でも、私は失敗者ではありません。
論文審査会での最悪の事態について、あらかじめ教えてくれる人はいませんでした。これまで、学問でつまずいたことは一度もなかったのです。顔を思い切り引っぱたかれたようで、もう帰ろう…それしか考えられませんでした。家に戻ると、6人の温かいハグで我に返りました。彼らの言葉は、博士号を取っても取らなくても、私には支えてくれる愛すべき家族や友人たちがいるということを思い出させてくれました。私は、この不合格を乗り越えました。失敗したことは確かですが、失敗者ではありません。
(PhDiva(@dissertating) on Twitter オハイオ大学の英語のインストラクター助手)
<プローニ・ペニングスの場合>
今年の始めに息子を産み、その2か月後に助教という新たなポジションに就きました。赤ん坊と新しい職務に、どうすれば正気で対処できるのかと尋ねる人もいます。
そのような質問の裏には、女性である私が赤ん坊の世話の大部分を担っているはずだという思い込みがあることが多いようです。でも、私以上とまでは行きませんが、夫も十分に世話をしています。だから、なぜ出産後2か月で仕事に戻れたのかと私に聞くのなら、同じことを夫にも尋ねなければおかしいのです。
(サンフランシスコ州立大学生物学部助教)
<匿名希望>
院生生活が厳しいものであるということは、皆知っています。最初のうちは、眠れぬ夜や、自分が詐欺師だと感じてしまうインポスター症候群など、普通の苦労があります。そして、ノーマルな状況ではないと気づきながらも、どう乗り切ればいいのか分からないという、次なる難しい段階に入ります。最近の私はこの状態にありますが、心も体もボロボロになります。ですが、こうした問題は院生だけの問題ではなく、院生自身で変えられるものではないことに気づき始めました。問題は学術界のあらゆるレベルに浸透し、恐ろしい影響を与えています。どの人にも、その人なりの苦労があるのだと思うようになりました。
以上、胸に迫る3つの例をご紹介しました。
さあ、あなたの物語を世界にシェアする準備はできましたか?伝えたい物語に、思いを巡らせてみましょう!
体験談のシェアと詳しい情報はこちらから
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