質問: Dr. Eddyのお悩み相談:ジャーナルによるリジェクトはしばしば有利に働くか?

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Answer:

論文が不採択になり、がっかりしていることと思いますが、良いニュースがいくつかありますよ。掲載前に不採択になった論文が掲載されたあかつきには、すぐ採択された論文より、実際のところはよく引用されるようです!

サイエンス誌に掲載された最近の研究“Flows of research manuscripts among scientific journals reveal hidden submission patterns.”で、こうした傾向が発見されています。著者のカルカーニョ氏らは、ジャーナルの投稿プロセスが長く、いかに不採択が掲載を遅らせているかを知り、もし研究者が論文を最初からインパクト・ファクターの低いジャーナルに投稿していたら、掲載プロセスは早まるのか調べたいと考えました。

この研究では、16の専門分野から2006年から2008年までの生命科学系の論文を集めました。各論文の責任著者に連絡して短いアンケートを送付し、その論文が別のジャーナルで不採択になったことがあるか、もしあったとしたらジャーナル名(最後に不採択になったジャーナル)を調べました。20万人の著者のうち、8万人から回答を得ました。

著者が挙げたジャーナルを図式化し、論文の流れにパターンがないか調べてみました。予想した通り、ネイチャーとサイエンスは図の中央に位置していました。これは、どこか他で掲載される前にこの2つのジャーナルで不採択になった論文数が、最大であることを示しています。さらに、不採択になった論文はたいてい、それよりインパクト・ファクターの低いジャーナルに続けて投稿した時には掲載されていました。

 

この研究ではまた、予期していなかった結果も得られています。第一に、調査に応えた著者の75%が、これまで不採択になったことがないと答えていました。この結果にもとづき、この研究の著者らは、生命科学の論文は適切なジャーナルに投稿されることが多く、最初の投稿で採択されやすいと結論付けています。今では、この結果をめぐり、ネイチャーのニュース記事やザ・サイエンティストに設けられた科学者の意見交換の場では、広く議論がなされています。というのも、この研究の結果は必ずしも、一般的な投稿の流れを代表していないかもしれないからです。

 

けれども、ここでは一番興味深い結果を紹介しましょう。

この研究で明らかにされたのは、一度不採択を受けた研究の方が、一度も不採択を受けたことのない研究よりも被引用数が多かったということです。さらに、この傾向は、ジャーナルのインパクト・ファクターとは関係なく見られました。このことは、たとえより低いジャーナルで掲載されることになったとしても、インパクト・ファクターの高いジャーナルに投稿した時にもらった査読者からのコメントが、論文の最終的な質を向上させるのに役立ったということを示しています。

ですから、不採択になってしまってもあまり心配せず、査読者のコメントに従って論文を改善させ、掲載されたときにより多く引用してもらうことを期待した方がよいと、私は思います。

 

歴史から学ばなければならないこともあります。

1960年代の終わり、ある経済学者が3つのジャーナルから不採択を受け、最後に“The Market for ‘Lemons’: Quality Uncertainty and the Market Mechanism”というタイトルで発表しました。これが、経済学でもっとも影響力のある論文の一つになったのです。 著者のアカロフ教授は2001年のノーベル経済学賞に輝きました。

 

最後にあなたには、今の状況にがっかりしないように、と言いたいです。思っていたよりインパクト・ファクターの低いジャーナルに論文を投稿しなければならないとしても、最終的に掲載されれば、最初の2回の投稿でもらった査読者コメントを論文に取り入れることにより、1回目の投稿で採択された場合よりも、論文の被引用数が高くなるかもしれないのですから。

がんばって投稿してください! どんな結果になったかぜひ教えてくださいね。

研究論文の流れに関する上の研究については、どう思いますか?ぜひご意見をください。

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同じジャーナルに論文を2本以上投稿する場合


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