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引用をする場合の著者の責任は?
引用と参考文献では、正しい形式で、細部まで正確に書くことが重視されていますが、研究者は正しい出典を見落としてはいけません。これは重要なことです。
たとえば、‘Author1 and Author2 (2013) used a 0.5% solution of chemical xyz and obtained remarkable results’と述べ、参考文献の中でも完璧に出典の体裁を整え、必要とされる点をすべて詳しく書いているのに、もとの論文には(XYZではなく)chemical abcと書かれていたことに気づかない、ということがあるかもしれません。この種の誤りは、はるかに深刻です。
こうした出典の誤りは、見つけるのが困難で、より危険な可能性があるだけでなく、誰か他の研究者がまさに(誤った)情報のソースとして、その論文を引用した場合、誤りが蔓延してしまう恐れがあります。
オーレ・ビヨルン・レクダルはAcademic urban legends
という論文の中で、ずさんで不正確な引用は都市伝説につながりかねない、と指摘しています。レクダル氏が示しているのは次の2つの都市伝説です。
(a) ほうれん草は鉄分がとりわけ豊富な食物である [実際は、鉄分摂取を抑制する成分が含まれているのだが]、(b) この主張は、小数点の位置がずれていた結果によってなされたものだった。
レクダル氏の論文では、自分自身でよく調べていない、あるいは相談していないソースの引用を控えるべきだと研究者に警告もしています。つまり、参考文献のスタイルで、‘cited in’と挿入することによる引用が認められるかもしれませんが、褒められた(奨励されるべき)やり方ではないということです。氏の言葉は、多くの学者の琴線に触れるに違いありません。いかに適切で便利だとしても、その文書を自分の目で確認し、本当に自分の論点を支持していると確認できない限りは、引用しないことにしている学者にとっては、特にそうでしょう。
レクダル氏の言葉を引用すると、「このような態度をとる人は、科学の発展や知識の蓄積を推進する人として最も重要な人材だが、それにもかかわらず、質より量を重んじるシステム、また、学術的生産が、考慮すべき価値のあることではなく、数えられる単位に還元されてしまうようなシステムでは、彼らの多くが敗者として終わっている」ということです。
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