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消化器病看護師の役割の広がり—看護から健康管理のプロへ
Collins English Dictionary によれば、看護(Nurse) とは病気や怪我をした人、体の弱い人の世話をする人と定義されています。これは、看護師についてのステレオタイプ的な見方で、私も数年前までは看護師の職業について同じように考えていました。
けれども、消化器病看護(GI Nursing)の専門のジャーナルでエディターとして働くうちに、消化器病とストーマ(訳注;人工肛門)ケアを行う看護師の役割には、病気の世話よりももっと多くのことがあることに気づいたのです。
第一に、消化器病看護の分野は広範囲に及んでいます。
消化器病、内視鏡検査、炎症性腸疾患(IBD)、ストーマケア、肝臓の看護などです。これらの看護師は自分の専門分野で経験を積んでいくか、あるいはより高度な勉強を続け、臨床専門看護師(Clinical Nurse Specialists)になることも可能です。専門看護師は、質の高い、患者中心で、適切なタイミングで、費用対効果のよいケアを提供します(Royal College of Nursing (RCN), 2013)。 中には、さらに一歩前進する看護師もいます。
イギリスでは、看護師で内視鏡を使う人(endoscopists)は医学とは関係のない健康管理の専門家で、侵襲的手法を最小限しか使いません(特に軟性S状結腸鏡検査と上部消化管内視鏡検査) (Swarbrick et al, 2005)。
検査中に合併症を起こさない限り、医師が検査を行う必要性を排除しています。こうした設定により、患者の、内視鏡検査への理解が増すようになり、胃腸科専門医/医師がハイリスクの患者と治療法に集中する時間に余裕ができたのです(Matthews, 2001)。
専門とする分野でのエキスパートとなった専門家の看護師のもう1つの例として、ストーマケア看護師が挙げられます。ストーマ手術(Stoma surgery) は大腸がん、IBD、腹部外傷患者に対して行われイギリスにはストーマをつけて生活している人が10万人以上います (RCN, 2009)。
イギリスでは、患者がストーマ手術を受ける前に、手術全体、治療後の経過・結果(アウトカム)について看護師が説明し、患者の腹部でストーマの部位にしるしがつけられます。手術の後、必要なストーマ装置と付属品をどうやって使用するかなど、手術後のケアを患者に教えるのも看護師です。この手術は、患者に深刻な身体的・心理学的影響を与える可能性があります。看護師は手術後の移行を通じて患者を助けます。イギリスの国民医療サービス(National Health Service (NHS))では、1970年代以来、ストーマケア製品の処方と患者の教育はほとんど看護師が行っています(RCN, 2009)。
専門家の看護師がIBDと肝臓のケアで果たす役割は、イギリスの消化器病学分野では比較的新しいものです。彼らの専門分野で処方を行うときは集中講座を受ければ、こうした看護師の多くがノン・メディカルの処方者(特定の薬剤を処方するための資格を得た者)になることができます。
消化器病の看護師の役割はかなりの進化をしてきました。多くの場合、消化器病とストーマケアの看護師は、患者の世話をする唯一の健康管理の専門家で、慢性疾患のある患者の場合、こうした介護が何年も続く可能性があります。こんにちの看護師は確実に、ステレオタイプから離れ、すばらしいケアを提供するだけでなく、医師の負担の一部を共有するようになっています。ナイチンゲールもきっと誇りに思うことでしょう!
参考:
Matthews P (2001) Developing the role of the nurse endoscopist. Nurs Times 97(44): 56
Royal College of Nursing (2009) Clinical nurse specialists Stoma care. https://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0010/272854/003520.pdf (accessed 25 September 2014)
Royal College of Nursing (2013) RCN Factsheet: Specialist nursing in the UK. http://www.rcn.org.uk/__data/assets/pdf_file/0018/501921/4.13_RCN_Factsheet_on_Specialist_nursing_in_UK_-_2013.pdf (accessed 25 September 2014)
Swarbrick E, Harnden A, Hodson R et al (2005) Non-Medical Endoscopists. A Report of the Working Party of the British Society of Gastroenterology. http://www.bsg.org.uk/images/stories/docs/clinical/guidelines/endoscopy/endo_%20nonmed.pdf (accessed 25 September 2014)
Image: Wikimedia Commons
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