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クラウドで書くということ:共同的な文章のためのツール
私は今、研究論文をいくつか書いています。フランスにあるオフィスから、ブラジル、そしてアメリカにある2つの都市にいる共同研究者との共著論文を書かなければなりません。互いにこんなに離れた場所にいながら、科学論文のような精緻な文章を共同で書くには、どうすればよいでしょうか?
しばらくの間は、ワード文書の変更履歴機能や電子メールを使い、校正した論文を往復させるのが解決法でした。しかしこの方法を使っている人は、電子メールが乱雑になること、同じ文書に対する10もの異なるバージョンをどうにかこなさなければならないことを、嫌というほど知っています。
今では、クラウドサービスの出現により、リアルタイムで実際の論文を共同的に書くことが可能になっています。サイズを超えた電子メールも、全員の構成を追跡しようとして起こる頭痛もなくなります! クラウドというツールを使えば、 すべての共同研究者が、自分のウェブブラウザにいながらにして、同じ文書(リモート・サーバーに安全に保管されている)を編集できるのです。
クラウドサービスを用いた Google docs(Googleドキュメント)、One Drive、SciGitにより、複数のユーザーがライブで文章編集することができるようになり、それらは改訂版の管理もしてくれます。いずれも無料ですが、それぞれに得意とするところがあります。Google docs は、機能性に富み、Googleの一連のアプリとも連携しています。SkyDriveは、マイクロソフト社の Office 一式と完全に互換性があります。SciGit は科学的文章に特化されています。複雑な数学の公式を書くのに特に役立つマークアップ言語であるLaTeXで文章を書くのを好むひともいます。LaTeX のユーザーには、ShareLaTeX、WriteLaTeX、Authoreaといった、共同的な執筆が行えるウェブベースのプラットフォームもあります。
多くの拡張機能に恵まれているGoogle docsは、伝統的なワープロにとってとりわけ重大な競争相手になっています。数式エディタ(equation writers)、シソーラス、クリップアート・リソース、レファレンス・マネージャー(文献管理)などの拡張機能が無料で利用できます。研究者にとって非常に有益なのは、ChromeとGoogle Appsで動くウェブベースのレファレンス・マネージャーであるPaperpileで、論文の検索、整理、講読、執筆をオンラインで行うのに役立ちます。Chrome のアプリケーションという形をとっているということは、Mac、PCとも互換性があり、実質上どこからでもアクセスできるということです。ユーザーは別のレファレンス・マネージャーから参考文献をインポートするか、論文に関するウェブを閲覧することにより、参考文献や関連のあるpdfのコレクションを作ります。
特に、Paperpile はPubmed、Google Scholarなど、多くの学術情報検索エンジンにうまく組み込まれています。ワンクリックで、参考文献をコレクションに書き加えたり、Googleドライブのストレージスペースからpdfをダウンロードできます。
Paperpile は、レファレンス・マネージャーであるとともにサイテーション・マネージャー(Citation manager)でもあり、Googleドキュメントのアプリに直接組み込まれています。
Google Driveを使ってpdfファイルをすべて保存することにより、モバイル機器も含め、どこにいてもPaperpileで論文コレクションを利用できるようになります。Google Driveで使えるフリースペースは15Gb(教育用のGoogleアプリは30Gb)ですので、Paperpileのユーザーはスペース不足を心配する必要はありません。論文を書こうという気持ちになったらその時点で、Paperpile とGoogle Docs を使って、論文コレクションを検索し、引用文を挿入し、参考文献一覧を作ることができます。
Paperpile は学術機関や非営利組織の場合、30日間無料でお試しができ、以後は1ヶ月2.99ドルで利用できます。
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