ネイチャーがシュプリンガーと合併

ネイチャーがシュプリンガーと合併

ネイチャーやサイエンティフィック・アメリカンの出版社であるロンドンのマクミラン・サイエンス・アンド・エデュケーションが、ベルリンを拠点とする世界最大の科学系出版社であるシュプリンガー・サイエンス・アンド・ビジネス・メディアと合併します。
 

2015年1月15日、ホルツブリンク・パブリッシング・グループ(マクミランを運営する民間会社)とBC パートナーズ株式会社(2013年にシュプリンガーを買収)によりこの合併が発表 されました。シュプリンガーの代表取締役を務めるDerk Haank氏は、「この2つの会社が合併することで、出版の奥深い伝統に根付いた2つの事業はさらに幅広く豊かに拡大することになるでしょう」と述べました。


このジョイント・ベンチャーによって、約13,000人の従業員と約15億ユーロの売り上げを誇る学術論文出版グループが誕生します。ホルツブリンク・パブリッシング・グループ(Holtzbrinck Publishing Group)は合併後の会社の53%の株式を保有することになり、これは2015年の前半にも正式に競争当局によって承認される予定です。


また、伝えられるところによれば、この合併の条件には、マクミラン・エデュケーションのUS Higher educationのビジネスや、ホルツブリンクの科学ソフトウェア会社Digital Scienceと、テクノロジー教育会社のDigital Educationのビジネスは除外されています。


しかし、図書館員はこの合併について心配しています。ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの図書サービスのディレクターを務めるPaul Ayris氏は、「商業市場の哲学では競争は価格低下に働きます。その考え方からすると、それだけの巨大な量の出版がひとつの大手出版社に集中することはユーザーにとっては良いニュースではないでしょう」と話しています。また、学術業界のリーダーの中には、合併はテクニカル出版において成長の機会の傾きを示すという意見の人もいます。


ソルトレイクシティにあるユタ大学の学術リソース&コレクション部の次長であるリチャード・アンダーソン氏は"「さらなる合併は免れません。学術コミュニケーションを取り巻く複雑な環境に対応している間、出版社はますます従順になって守りに入り、小さな予算を追いかけることになるでしょう」。” と話しました。


この合併は、科学論文出版におけるジョイント・ベンチャーのトレンドのはじまりを示しているといえます。

    

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