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外国人ポスドクのアメリカでの体験:情報を探し自分の選択を吟味する
以前の記事で、将来ポスドクを外国で過ごすための、すぐれたロードマップ計画・作成の基礎についてお話しました。
自分がしたいことについて計画を立てたら、目標を達成するため適切な研究室をどうやって見つけたらいいでしょうか?最近は、情報を得るためのリソースが、時にはオーバーロードになるくらい無数にあり、いっそうの混乱を招いています。ここでは、何をどのように見つけるかについて、いくつかアドバイスしましょう。
現時点では、ポスドクのキャリアを展開させたい大まかな分野と、ポスドクの職のタイプを先に決めておかなければなりません。博士論文のテーマに限定する必要はないことを忘れないでください。大まかなテーマ/範囲の中で好きなものを選びたいと思ったら、そのテーマの文献を読み、テーマに没頭しましょう。また、これまで受けてきた教育から考えて、自分が選んだ特定の分野に効果的に貢献できるか、その分野の需要に対応できるか判断します。たとえば、私の博士論文のテーマは、ウミヤツメを動物のモデルとして使った比較神経解剖学でしたが、生物医学分野に移り、人間の脳について学ぶことを希望していました; 必要なスキルを評価し、ポス毒として効果的に貢献するため自分の知識をうまく利用し、同時に人間の脳についても学ぶことができるという結論に達しました。
それでは、ポスドクの職はどうやって見つけるのでしょうか。おそらく適切に選んだ科学雑誌であればその多くには、広告が掲載されています。 けれども、早く始めるのであれば、心から楽しんで読める研究論文、「この研究に貢献できたらいいなあ」と思わせてくれるような論文を生み出した研究室を、まず検討するとよいでしょう。実は、本当に自分たちの研究に関心があるポスドク志願者、熱意とやる気があり勉強熱心なポスドク志願者を見つけたいと切望している研究者は多いのです。まずは気に入った論文を選び、論文の年長の著者が誰か特定し、彼らの研究や助成金についてインターネットで徹底的に検索する、これが私からのアドバイスです。
体系的な検索をどのように行うか、いくつかアドバイスしましょう。
科学
どんなときも科学的根拠から始めましょう!ですから、研究チーム/研究リーダー(principal investigator (PI))が発表した研究を徹底的に検索するのが第一歩です。選択肢は多いですが、信頼のできる公開(つまり、閲覧が自由な)データバースをいくつかご紹介しましょう:
- GOOGLE SCHOLAR はあらゆる分野で広い検索ができます。必ずしも完全に正確というわけではないかもしれませんが。
- 国立衛生研究所(USA)の一部門である国立医学図書館が管理している、PUBMEDは、医学だけでなく幅広く生命科学にも関心があれば、大変役立つリソースです。 社会科学にもある程度有効です。
- EUCLIDは、数学と統計学分野のデータベースです。
助成金
アメリカの研究室に関しては、研究室/PIの現在・過去の助成金について調べるのに役立つリソースがいくつかあります。アメリカで主な公的資金を出しているのは、国立衛生研究所(NIH)と国立科学財団(NSF)の2つです。さらに、自分たちの所属機関や民間の財団から追加資金を得ている研究室も多いです。連邦政府からの助成金については、インターネット上の公開データベースで情報をたくさん見つけることが可能です。生物医学の研究者であれば、NIH reporter pageをご覧になるのをお勧めしています。
このホームページでは、NIHから資金提供を受けている研究者の情報を探すため、オプションをたくさん提供しています。生物医学研究室での職を探しているのでしたら、このデータベースはいくつかの点で検索に役立ちます。あなたの研究室/PIがNIHから資金を得ているとしたら、その研究室/PIの現在・過去の助成金について、助成金の金額だけでなく、研究プロジェクトの概要や研究プロジェクトから生まれた出版物もそこで見ることができます。ただし、これは助成を主にNIHから受けている研究室にのみ当てはまります。生物医学の分野であっても、他の助成金を受けている研究室もあります。
助成金や研究についてより多くの情報を得ることができる、もう一つのソースとして、NSFのデータベースがあります。こちらのデータベースでは、生命科学から物理学、あるいは社会科学まで、多様な分野においてNSFから助成金を受けている研究者の情報を見ることができます。
環境と生産力
PIはチームのメンバーとともに論文発表をしていますか?PIに外部の共同研究者はいますか?本拠地はどこですか?PIは過去5年に何本の論文を発表し、それらの質はどうですか?
助成金のデータベースと同様に研究者の論文発表のパターンをチェックすることで、こうした情報は簡単に推測できます。論文からは科学的な内容だけでなく、共同研究のパターンもうかがうことができます。過去5年間にPIが発表した論文の共同研究者のリストをチェックしてみましょう; このリストは、共同研究のパターンや、同じ研究室の他のメンバーが発表した論文の成果などに関し、役立つ情報をくれるでしょう。さらに、たいていの論文には発表した研究の資金源が挙げられているでしょう。
もう一つマイナーな情報源として、研究者の所属機関が公式に出しているホームページがあります;しかし、これを主要な情報源として使ってはいけません。というのは、ホームページが更新されていない、あるいは、あまり完全ではないかもしれないからです。定期的に更新されていれば、ホームページは、現在のチームメンバーや時には以前のメンバーについての有益な情報源となります。
このようにして集めたすべての情報により、情報に基づいた決定ができるようになります; ですから、検索を行うとき徹底的かつ体系的に行うことが重要です。
このシリーズの次の記事では、どのようにして自分が選択した研究室とのつながりを適切に作るか、特に、主な(あるいは唯一の)やり取りが電子メールである場合どうしたらいいか、お話します。
どうやって自己紹介しますか?どんな情報を書いたらよいでしょうか?
今後もこのシリーズに注目して、答えを見つけてください。
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