- Articles
- Popular
外国人ポスドク研究者のアメリカ体験:一歩踏み出し、憧れの研究室に近づく
以前の記事で、ポスドクとして過ごすのにふさわしい研究室とはどのような場所か、そしてそれに関する情報はどこにあるのかについて書きました。それは、最初の一歩に過ぎません。次は研究室長やPI(主任研究員)に接近しなければなりません。本記事では、ポスドクのポジションを探す際、どのように自己紹介をし、どのような情報を含めたらよいのか、そしてさまざまな研究室に対してどのように接近したらよいのか、といったことに関するアドバイスをご紹介します。
ポスドクとして研究を行うのにふさわしい研究室の候補は、いくつあれば十分といえるでしょうか。お勧めの方法は、10の研究室を挙げて自分の好みに応じてランク付けし、まずは上位3つの研究室の、連絡先としてふさわしい人物に連絡をとってみることです。では、どのように連絡したらいいのでしょうか。もし、学会やミーティングでその人たちに直接接近する機会があるなら、そうすべきです。研究チームのポスター発表や、研究チームリーダーの行うセミナー発表に足を運び、研究について具体的かつよく練った質問ができるよう準備していきましょう。主任研究員と直接話をする機会があるかもしれません。しかし、必ずしもこのような理想的な機会が得られるとは限りません。あなたが「標的」とする研究室には、ほとんどの場合、メールで連絡しなければならないはずです。そのためには、それに応じた戦略と計画が必要となります。
自己紹介の仕方
メールの件名:
シニアの研究者は、毎日山のようにEメールを受け取ります。そのため、彼らに送るEメールとその添付書類には、注意を払う必要があります。
メールで、もっとも単純ながら重要なのは、件名(subject)です。大学のサーバーは、メールの件名が空欄だとスパムとして扱ってしまうことも多いので、注意してください。また、件名の付け方も重要です。例えば “postdoc in your lab”(「あなたの研究室のポスドク」)などという件名だと、スパムフィルターにかかってしまう可能性がありますし、くだけすぎている印象があります。それでは、どう書けばよいでしょうか。“interest in joining your laboratory team”「貴研究チームへの参加に興味あり」、あるいは“possibility of joining your laboratory team”「貴研究チームへの参加の可能性について」などの文言が適切でしょう。
メールの内容:
お勧めは、自分と添付文書について簡潔に説明する、1段落までの短いメールです。短く、要点をおさえたメールにすることが肝心です。長い文面は、相手に読む気をなくさせますが、きちんと整えられた情報を添付しておくことで、時間のある時に文書を読むよう「誘いをかける」ことが可能です。
以下は、初めて送るメールをどう書くべきかの参考となる、簡潔なメールの例です。
○○先生、
私は○○と申します。○○大学○○博士課程在籍の博士号取得見込み者(Ph.D. candidate)です。
現在、博士課程修了を数か月後に控えていますが、終了後、博士号取得研究者として貴研究室に参加できる可能性があるかどうかお尋ねしたく、ご連絡しました。私は貴研究室で行われている研究に大変興味があり、現在進行中のプロジェクトにぜひ貢献したいと希望しています。
本メールに、カバーレター、研究についての説明書(博士論文の要旨および今後の研究の関心領域について)、CV(履歴書)、推薦者の連絡先を添付いたしました。
ご検討のほど、どうぞよろしくお願い致します。
メールや添付文書の内容には、間違いがないようにしましょう。履歴書の書き方に関する資料は、たくさんあります。ただし、既存のテンプレートを使うことは避けましょう。経験豊富なPIなら、どこかのテンプレートを使っていることを見破ります。あなたがその研究室に心から興味を持っていることを示すことが重要です。
次回の記事では、カバーレターの書き方について説明します。信頼するに足るレターを書いて、夢みた場所でポスドクとして研究を行う可能性を高めましょう!
View Comments