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科学的文章を書くための3ページのガイド
科学的文章や研究に関する文章を書くというテーマの本はたくさん出版されていますが、たいていの研究者には、そうした本を掘り下げて調べる時間はほとんどありません。簡単に書いてあり、それでいてためになる本があったらどんなにいいことか!
あるのです。Whitesides' group: writing a paper を読んでみてください。2004年、Advanced Materials に掲載された、科学的文章を書くための、3ページからなる論文です。
たった3ページですよ! 少しは役に立つのでしょうか?役に立つはずです。これを書いたジョージ・ホワイトサイズ教授は、これまで950本以上の論文を書いており、1981年から1997年の間でもっともよく引用された1,000人の科学者のうち、5位にランキングされている人であり、さらに2011年12月の時点で、現存する科学者の中で一番h指標が高い研究者なのです。ハーバード大学でMITを取り、同大学で教授になって、300人を超える学生と学者を指導してきました。
ホワイトサイズ教授ならば、科学的文章の書き方について何でも知っているに違いありません!
論文の形で発表された個のガイドラインは、1989年より教授の研究グループ内で使われているものです。論文の中では、研究論文を書く際の「アウトライン・メソッド(“ outline method ”)」が説明されています。教授は、論文をアウトラインから展開させていくよう、強く勧めています。アウトラインとは、論文の構成を表わし、重要なデータもいれたものです。教授によれば、学生と学生の指導者による反復プロセスで展開されていかなければならない、アウトラインが書きあがってはじめて論文執筆を始めなければならない、ということです。一般に、学生は論文全体の草稿を書き、それからはじめて重要な訂正、修正、示唆を共同研究者や指導者から受けることが多いです。論文全体の草稿を次々に書くのは、非常に時間のかかる仕事ですから、アウトライン・メソッドの方が効率的なのは明らかです。
「何かものを書く時は、それが論文であっても、報告書、提案書(そしてもちろん、セミナーのスライドであっても)、私はアウトラインを作ります。アウトラインの使い方を学ぶことをお勧めします(“ All the writing that I do—papers, reports, proposals (and, of course, slides for seminars)—I do from outlines. I urge you to learn how to use them as well. ”)」というのが、教授の言葉です。
以上は、教授の3ページ論文を要約したものにすぎません。実際に読んでみて、「アウトライン」とは何か、自分の執筆プロセスでどのように役立てたらよいか、学んでください。
ホワイトサイズ教授は、ACS 出版 ( ACS stands for the American Chemical Society )発行の「研究を発表する101のコツ(“ Publishing Research 101”)」というビデオシリーズも製作しています。ウェブサイトサイトhttp://pubs.acs.org/ を訪れ“ Video” を選択すれば、ためになるこのシリーズにアクセスできます。
当然のことながら、一度アウトラインを書いたら、論文自体の草稿を書くプロセスで、指導がいくらかは必要になります。それについては、また別の機会にお話ししましょう。
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