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学術論文における類語:e.g.、i.e.、namelyの違い
今日の学術論文では、ラテン語の略語が徐々に見られなくなっています。Council of Science Editors では、et al. の代わりにand others の使用を勧めていますし、出典の引用をするときによく使われていたop. cit. やloc. cit.といった略語も、今ではほとんど見られなくなりました。
けれども e.g. はそれほど稀に見られるわけではありません。時には、誤って i.e.,として使われることもあります。この記事では、e.g.とi.e.の違いと、namely(つまり)と同じ意味をもつもうひとつ別の略語 viz.とこれら2語との関係を、お話します。
この3つに共通しているのは、その前に置かれた語(いくつかの語)を精緻化する役割があるということです。その精緻化の質に関して3つは異なっているのです。つまり、精緻化が、例であるか、言い換えか、列挙かということです。以下で例を示しましょう。
“A number of weather variables were recorded, e.g. precipitation, temperature, and relative humidity.” という文を取り上げてみます。e.g. はラテン語のexempli gratiaの略したもので、「たとえば(for example)」という意味です。上の文では、“variables”という語が、記録されたいくつかの変数の例を挙げることで説明されています。こうして(このように使われることで、)e.g.は、precipitation(降水量)、temperature(気温)、relative humidity(相対湿度)だけが記録された変数ではないということを暗に指しています。evaporation(蒸発)、the number of sunshine hours(日照時間)、the intensity of radiation(放射線の強度)も記録されていたかもしれません。
precipitationという語を説明しなければならないときは、“Data on precipitation, i.e. rainfall and snowfall, were collected from local weather offices.” と書くことができます。The abbreviation i.e.はラテン語のid estを略したもので、which means 「言い換えると(in other words)」という意味で、同じ意味の言い方を2つに分けています。最初の方がより簡潔な表現になります。
最後になりますが、ある集団のメンバーすべてに名前をつける、つまり、単に特徴的なものを挙げるのではなく網羅的に列挙する場合、namely、あるいはそれにあたるラテン語のviz.を使うのが正しい選択です。たとえば、“The present paper evaluates the effect of major weather variables, namely precipitation, temperature, and relative humidity, on crop growth.” という文を考えて見ましょう。namelyを使うことで、その論文が3つの気象変数の評価だけに関するものであって、その他の蒸発や日照時間のようなその他の変数に関するものではないことが、明らかになります。
よく混同される類似した語に"including"と"such has"があります。これらの使い方をもっとよく知りたい方は下記の記事をチェックしてください!
関連記事:"namely"を使うか、それとも"such as" や "including"を使うか
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