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インパクトファクターをどう見るか: エキスパート7人の視点
トムソン・ロイターは数日前、ジャーナルのメトリクス(指標)と研究のインパクトを評価するデータとして世界最大の影響力を持つ、2016年版ジャーナル引用レポート(2016 Journal Citation Reports®)を発表しました。インパクトファクターについては、これまでに様々な議論がなされてきました。インパクトファクターは絶対に必要だと考える研究者もいれば、なくしたほうがよいと思っている研究者もいます。また、他の評価方法と併用したらどうかと考える第3のグループも存在します。学術出版界のエキスパートたちはどう見ているのでしょうか? 過去にエディテージ・インサイトで行われた出版業界エキスパートへのインタビューから、インパクトファクターに対する見方を抜粋して以下のインフォグラフィックにまとめました。PDF版のインフォグラフィックはダウンロードが可能です。
インパクトファクターに関する不朽の名言7選
研究者の業績とジャーナルの信頼度を測定する究極の方法がインパクトファクターだと考える人は大勢います。学術出版界のエキスパートたちはどう見ているのでしょう?エディテージ・インサイトの過去のインタビューから、インパクトファクターに対する出版業界エキスパートたちの見解を抜粋しました。
「ジャーナルを1つの数値で評価するのは、複雑で多様な形態の生物をたった1つの特徴で評価しようとするに等しく、そのただ1つの特徴を基準にして『このジャーナルはどれぐらい優れているのか』と尋ねるようなものです。ジャーナルの質に関する真の複雑さを探ろうとするなら、『このジャーナルはどのような点で、誰にとって重要なのか?』という問いの方が適切でしょう」
レイシー・アール
Cabell’s International/ビジネス開発部門バイスプレジデント
「研究論文の影響とインパクトを理解する最善の方法は、たった1つのデータに依存することなく、様々な評価指標(メトリクス)を活用することです」
メリンダ・ケネウェイ& チャーリー・ラップル
Kudos/共同創設者
「研究者としてターゲットジャーナルを選ぶ際に重要なのは、自分の研究分野の論文が掲載されていること、目的と対象領域に自分の論文が適合していること、そしてジャーナルが分野内で広く読まれていることです。これらの要素の方が、インパクトファクター等の表面的な評価よりも重要です」
张林琦(Linqi Zhang)
精華大学基礎医学部・総合AIDS研究センター/学部長
「『重要性』を評価する唯一無二の方法を見つけることなどできません。でも、だからといってインパクトファクターが無意味だというわけではありません。インパクトファクターはそれ自体が問題視されることもありますが、問題なのは、この複雑で多元的な問題を、1元的な問題に矮小化してしまうことです」
ジョー・ロイスリエン博士
スタヴァンゲル大学健康科学部准教授
「インパクトファクターは有益なツールで、この指標によって我々のジャーナルの位置づけがよく分かることは間違いありません。しかし、それがそのままジャーナルの業績につながるわけではありません」
イアン・ストーンハム
英国工学技術学会(IET)出版部
「『インパクト』とはもともと、引用やインパクトファクターを利用して、ある論文の学術的影響力を測定することでした。でも最近では、例えばデータセットやソフトウェアなど、他のタイプの研究成果や他の種類のインパクト、例えばより幅広い社会的・経済的インパクト、または政策・慣行上のインパクトなども重視されるようになってきました」
ユアン・アディー
Altmetric/CEO、創設者
「これまで世界中の研究者と意見交換をしてきましたが、”良き科学”とは何ですか?という問いに対する答えはいつも同じでした。”科学的に優れている”研究とは、(a) 質が高く、(b) 世界に貢献する、というものです。インパクトファクターのような、被引用数に基づいた指標では、このどちらについてもほとんど分かりませんが、オルトメトリクスによっては分かるものもあります」
ステイシー・コンキール
Altmetric/アウトリーチ・契約担当マネジャー
エディテージ・インサイトのその他のインタビュー記事も、ぜひご覧ください。出版業界のエキスパートたちによる、色褪せることのない知恵がつまっています。
www.editage.com/insights/industry-experts
Impact factor quotes_Japan.pdf
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