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複数の図をまとめる場合の見出しラベルの付け方―4大スタイルガイドより
2つ以上の要素や部分に分かれた図に見出しラベルをつける方法は、ジャーナルやスタイルガイドによって異なります。例えば、論文の中に、ロンドン、ニューヨーク、ソウル、東京の4都市における月間平均気温を示す図が含まれているとしましょう。この場合、都市別の4つの図あるいは構成要素があるはずです。このようなとき、各スタイルガイドや出版社のラベルの付け方には、どのような違いがあるのでしょうか。以下で説明します。
1. AMA Manual of Style [1]には、詳細かつ厳密なルールがあり、「図が2つ以上に分かれている場合、(ラベルには)大文字(A, B, C, D,など)を使用すること」と定められています。また、「見出しラベルの大文字の後にはカンマをつけること」とも定められています。(ちなみに、AMAではピリオドを使用せず、例えば“etc.”ではなく“etc”と表記することが推奨されています。)このため、見出しラベルは"A, London"(続いて"B, New York")のように表記します。
2. Scientific Style and Format [2]では、小文字を使用し、カンマではなく右括弧(片括弧)を使います。つまりこのスタイルでは、a) London (続いてb) New York)のように表記します。The Chicago Manual of Styleも同様です。
大西洋の反対側(つまり英国側)で使われている2大スタイルガイドでは、望ましい書式について明確に示されてはいませんが、文章中の例から以下のように推測できます。
3. Butcher’s Copy-editing [3]はCambridge University Press方式を採用しており、以下のように述べられています。「1つの図が複数の図で構成されている場合、それぞれに適宜(a),(b)のようなラベルを付すこと」。2.との違いは、(a) London, (b) New Yorkというように、両括弧を使う点です。
4. New Hart’s RulesはOxford University Press[4]方式を採用しており、また少し異なります。米国方式とケンブリッジ方式の要素を1つずつ組み合わせ、(A), London, (B)New Yorkというように、大文字を両括弧で閉じます。
複数の要素から成る図のラベルの付け方は、スタイルガイドによって異なるということがお分かり頂けたでしょうか。論文を投稿する際は、そのジャーナルにふさわしいスタイルを選ぶようにしましょう。
[1] AMA. 2007. AMA Manual of Style: a guide for authors and editors, 10th edn., p. 119. New York: Oxford University Press [and American Medical Association]. 1010 pp.
[2] Style Manual Committee. 2014. Scientific Style and Format: the CSE manual for authors, editors, and publishers, 8th edn, p. 663. Wheat Ridge, Colorado, USA: Council of Science Editors. 722 pp.
[3] Butcher J, Drake C, and Leach M. 2006. Butcher’s Copy-editing: the Cambridge handbook for editors, copy-editors and proofreaders, 4th edn, p. 75. Cambridge: Cambridge University Press. 543 pp.
[4] OUP. 2014. New Hart’s Rules: the Oxford style guide, 2nd edn, p. 318. Oxford, UK: Oxford University Press. 464 pp.
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