国際英文誌での論文出版に立ちはだかる3つの壁
国際英文誌で英語論文を出版することには、さまざまなメリットがあります。日本語で書いても日本国内の人にしか読んでもらえない可能性が高いですが、英語で書くことで、対象読者は一気に世界中に広がります。研究成果を内外に発信し、グローバル水準の査読を受けることで、さらなる研究の発展と改善が見込めますし、研究がより多くの人の目に触れれば、思わぬところに共同研究者がみつかるかもしれません。また、結果を応用する機会が増えて、世界にインパクトを与えるチャンスも高まるでしょう。さらに、英語論文の出版経験があれば、研究者としての評価が高まり、就職や昇進に有利に働きます。
しかし、英語を母語としない人にとって、国際誌での論文出版には大きな壁が立ちはだかっています。この記事では、主な3つの壁と、それを乗り越えるためのヒントをご紹介します。
壁その1:独自性のあるテーマの設定
どれほど興味深いテーマであっても、それが国内に限られた事象だとしたら、海外の読者の興味を引くことはできず、ジャーナルには受け入れられないでしょう。したがって、汎用性の高いテーマを設定する必要があります。また、ジャーナルは新規性のあるトピックを求めているので、先行研究で未だ明らかになっていない領域(リサーチギャップ)を見つけることが大切です。すでに分かっている事柄について述べても、科学の発展に寄与するどころか、出版にこぎつけることも困難です。つまり、まだ手付かずのテーマを選ぶことができなければ、論文の掲載は期待しにくいと言えます。
この壁を乗り越えるためのヒント
適切な研究テーマを設定する際のヒントをご紹介します:
壁その2:研究テーマにふさわしいジャーナル選び
ジャーナルでの論文出版を目指すには、研究テーマと相性の良いジャーナルに投稿する必要があります。たとえ新規性のあるテーマを設定し、研究も順調に進み、素晴らしい論文が仕上がったとしても、ジャーナルの対象領域にマッチした内容でなければ、査読に進めないまま、投稿後のスクリーニングでリジェクトされてしまいます。
しかし、世界には膨大な数のジャーナルがあるので、適切なジャーナルを探すのも一苦労です。それが国際英文誌となれば、投稿規定の理解や、分野での評価の把握も簡単ではないため、なおさら大変な作業になるでしょう。
この壁を乗り越えるためのヒント
研究テーマにふさわしいジャーナルを探す際のヒントをご紹介します:
壁その3:英語のスキル
これが、国際誌での論文出版に伴う最大の壁かもしれません。学術界の共通言語は英語なので、英語の使用は避けて通れません。具体的には次のような苦労が挙げられます。
・英語のスキルが不十分ため、英語で論文を書くのが大変。書くのに時間がかかり、正しく書けているかどうかも自分では判断できない。
・ジャーナルの投稿規定を読み解くのが大変。理解が不十分なために、倫理規定を逸脱してしまう可能性もある。
・論文の内容は優れていても、英文レベルが不十分なためにリジェクトされてしまうことがある。(英語が不明瞭で分かりにくいと、内容が正確かつ十分に伝わらないため、リジェクトにつながる。)
・英語で投稿プロセスを進めるのも大変。(編集者とのコミュニケーションなど)
この壁を乗り越えるためのヒント
英語力を上げ、出版のチャンスを高めるために役立つリソースをご紹介します。
以上のように、国際英文誌での論文出版には大きなメリットがあると同時に、難しさもあります。母語が日本語なら、当然のことながら、日本語で書いた方が自信を持ってスムーズに書けるでしょう。それならいっそのこと、日本語で論文を書いて、翻訳を依頼してみるのも一つの手です。エディテージでは、さまざまな学術翻訳サービスを提供しています:
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