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完璧な学会発表用ポスターを作るには(学会ポスター用デザインのコンセプト)
ポスター発表(Poster presentation)は、学会に出席している人たちに自分の研究がいかに重要かを伝える最高の機会です。ポスターは喩えて言えば、映画を宣伝する広告のようなもの、小さなスペースのなかに大きな物語が詰め込まれています。
ポスター発表には、様々なコミュニケーション・ツールが伴います。画像やカラフルなメッセージと、言葉による説明を組み合わせて、科学的成果を伝えることができます。通常、ポスターは割り当てられた場所において、他の多くのポスターと一緒に展示されるので、遠くからでも人の注意をひくよう、目立つことが大切です。
ポスター作成の第一歩は、聴衆があなたの研究を理解するのに必要不可欠なコンセプトを一つ、決定することです。「このポスターのキー・メッセージはなんだろう?」と自問自答することから始めましょう。キー・メッセージが明確になったら、次は、ポスターを見た人にどうしてほしいかを考えてみましょう。ポスターを見た人に、いろいろ考えてもらいたいのでしょうか? 内容を理解してもらいたいのでしょうか? それとも、研究について質問を投げかけて欲しいのでしょうか?
では、ポスターの構想づくりを始めましょう! 例えば、研究のキー・メッセージが「A国の文化は、近年の都市化への熱意によって侵食されている」で、あなたは聴衆に対して議論に加わってほしいと考えるとします。
その場合、まずはこのキー・メッセージを、「A国における都市化は、文化の浸食を招いているか?」と疑問文にしてみます。この問いかけを大きな文字で印刷し、ポスターの中央の誰でも見えるところに配置します。そして、ポスターの残りのスペースで、この問いかけより小さく目立たないフォントで、研究の主な結果を書きこんでいくのです。
次に、構成とデザインの点で、ポスターの見た目を良くする必要があります。ポスター会場に来た人があなたのポスターを見た際に、瞬時に次のことがわかるようにしなければなりません。
- 研究のテーマはなにか
- ポスターの読み方は、上から下へか。左から右へか。
- 重要なポイントはどこに書いてあるのか
ここでは、ポスターを印象的で効果的なデザインにするための、7つのアドバイスをご紹介します。
1. 視覚的に論理的な並べ方で、内容を配置します。たとえば、下記のようにです。
タイトル |
||
1. 序論 |
3. 方法と結果 |
5. 方法と結果 |
2. 方法と結果 |
4. 方法と結果 |
6. 結論 |
2. タイトルには目立つ色を使い、2メートルくらい離れたところからでも読めるくらいの大きさで書きます。
3. 視覚ツールを使います。例えば、
- 数字と段組をうまく使うと、ポスターの流れがはっきりします。
- 矢印のような手がかりがあると、情報の流れを指示したり、ポスターのある部分とある部分の関係を示したりできます。
- イメージやグラフ、表は研究のストーリーを示す重要な構成要素です。文章の使用は可能な限り、イメージの説明にとどめましょう。
4. 色は強力なツールですが、使い過ぎてもいけません。せいぜい2、3色にしましょう。背景の色はパステル調が理想です。見やすいですし、コントラストがはっきりするからです。
5. 専門家によると、ポスター内のスペースの割当としては、文章が20%~25%、図表が40%~45%くらいがよいとのことです。残りの30%~40% は余白にしておきます。
6. 色やレイアウト、タイトルのフォントといった比較的目立つ点を終えたら、文章の微細な点に注意を払うのが大切です。以下にいくつかの方針を示します。
- 左詰めで書く。
- ダブルスペースで書く。
- 遠くからだと見えにくいので、イタリック体は極力避ける。
- パラグラフではなく、箇条書きにする。
7. 最後に、徹底的に推敲しましょう。文章を推敲し、校正し、スペルチェックをします。このプロセスを何度も何度も繰り返して下さい。推敲し過ぎるといったことはありません。ポスターの文章は可能な限り短くし、誤植やケアレス・ミスがあってはいけません。いったんこのプロセスが終わったら、誰か信用のおける仲間に見せて、意見をもらいましょう。その後、さらに推敲、校正、スペルチェックをもう一度、繰り返します。自分で完全に納得してはじめて、原稿を印刷に出しましょう。
実際にポスター発表に出席する際には、非常事態に備えることを忘れずに。発表に必要な資料はすべてバックアップを取っておきます。ポスターの予備を印刷し、オリジナルと別にして送付・運搬します。会場に用意がなかったときのために、巻き尺、のり、画鋲なども持っていきましょう。
ポスターの出来がよく、十分に準備がしてあれば、発表を聞きに来た人の前でも堂々と発表できるでしょうし、自分の研究について、聴衆と自信を持って会話ができるでしょう。
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