質問: 遅滞しているreviewを進めさせる方法を教えてください。また、それを訴えて、学術雑誌に意見してくれる組織があれば、連絡方法を教えてください。
査読が遅れている上に、問い合わせへの返事がないとは、フラストレーションのたまる状況ですね。ご質問に順番にお答えしていきましょう。
査読を進めてもらうにはどうすればいいか?
ステータスが更新されず、ジャーナルからの反応もないとのことなので、どのような理由で遅れが生じているのかは不明です。ジャーナルのウェブサイトを見てみましたが、論文の出版は滞りなく行われているようです。そこで、引き続き連絡を試みるのとは別に、ほかの論文の査読にどれくらいの時間がかかっているのかを確認してみてはいかがでしょうか。ただ、このジャーナルは今のところ購読型が主体のようなので、そのような情報が得られにくいかもしれません。その場合は、ほかの論文の著者名をGoogle、Google Scholar、ORCIDなどで調べて問い合わせてみましょう。そうすれば、このジャーナルでの査読期間について、何か情報を得られるかもしれません。対象領域が狭いジャーナルなので、著者同士はある程度互いを知っていて、連絡も取りやすいのではないかと思います。
今回のような場合に、問題を訴え、ジャーナルに意見してくれるような組織はあるか?
学術出版界にも業界の組織や団体はありますが、そのほとんどは、倫理、査読、OAなど、よりマクロな問題を扱っています。出版プロセスの遅れはジャーナル内部の問題であることが多く、最近はパンデミックの問題もあるので、今回のような場合の問い合わせ先としては、サポートセンターがふさわしいでしょう。サポートセンターのページには複数の問い合わせ手段(メール、チャット、電話)が用意されているので、メールしか送っていなければ、このすべてを試してみましょう。
今回はエルゼビアのジャーナルなので、ご自身もここでの出版を望まれていると思いますし、私たちも、プロセスをこのまま進めるよう提案しました。しかし、問い合わせへの反応がまったくなければ、原稿を取り下げてほかのジャーナルに投稿し直すのも1つの選択肢です。その場合は、取り下げる旨をジャーナルに伝え、了承を得てから再投稿しましょう。その連絡にも反応がなければ、下記で紹介しているQ&Aも参考にしながら、取り下げのプロセスを進めましょう。送ったメールは、次のジャーナルに投稿するときに必要になるかもしれないので、すべて保存しておいてください。投稿してからだいぶ時間が経っているので、再投稿する前に、分野の進展に合わせて論文の手直しも必要になるかもしれませんね。
状況が良い方向に進むことを願っています!
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