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査読(ピアレビュー)の種類について
ジャーナルによって、対象とする研究分野や運営方式が異なりますが、それに伴って、査読(ピアレビュー)の方式も異なってきます。最も一般的な形式は、一重盲査読と二重盲査読です。最近では、公開査読や掲載後査読を採用するところも出てきました。
一重盲査読(single-blind peer review)
一重盲査読では、著者は査読者が誰か分かりませんが、査読者は著者が誰か分かっています。この方式でも、先入観や利益相反が生じるのを減らす効果がありますが、著者が誰か分かっていることで、査読に影響が出る可能性があります。
二重盲査読(double-blind peer review)
二重盲査読では、著者・査読者のどちらも互いに相手が誰なのか分かりません。この方式では、査読者が著者に対して、不正確あるいは無責任なフィードバックを行う可能性がある、という懸念があります。
公開査読(open peer review)
公開査読では、著者も査読者も、お互いに誰なのかが分かっています。この方式では、最終原稿と共に、査読者のコメントと著者の回答も出版されます。
掲載後査読(post-publication peer review)
掲載後査読は、従来の査読の限界を克服する試みとして、オープンアクセス出版の中で採用するところが出てきた、比較的新しい方法です。名称から分かるように、この方式では、オープンアクセスのプラットフォームで出版済となった原稿を査読します。著者と査読者が誰なのかが分かり(公開され)、査読結果も分かるようになっています。この方式では、査読をしたという功績が査読者に残ることになります。
採用する方式に関わらず、選別機能としての役割を果たす査読プロセスは、粗悪な科学を排除し、著者が研究の質を向上させる手助けをするものです。
次の記事も併せてご覧ください。「査読コメントへの答え方」
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