「我が子も私も、新生活を楽しみにしています」
2019年3月20日、南アフリカ大学から博士課程の合格通知が届きました。でも、その瞬間、思っていたほどの喜びが込み上げてこなかったのは不思議でした。この合格通知は、私にとって大きな意味を持つものです。これまで、良いプロポーザルを書き上げられたと思っても、何度も何度もリジェクトされてきました。だから、合格したら嬉しさで飛び上がり、祝勝会を開くかもしれないと想像していたのですが、実際はそうはなりませんでした。
私は、博士課程の切符を手にするために 4年を費やしました。しかし、当然のことながら、その間にも人生は前に進んでいくものです。本来は、博士号取得の見通しが立ってから子どもを持つ計画を立てていたのですが、4年という月日の中で、それは起こりました。博士課程への進学を認められたことを知ったとき、私はすでに妊娠34週目を迎え、産婦人科の待合室で先生に呼ばれるのを待っていました。私は、4年という長い時間の中で、博士課程にこだわりすぎないようにすることを決め、学術誌で論文を出版したり、ボランティア活動をしたりしながら、楽しんで研究を続けていました。
振り返ってみると、この4年の間に、研究に対する感覚を養う機会が得られたと思います。落ち込んでいるときに、エディテージ・インサイトに出会うこともできました。私と同じ道をたどっている人の体験談を読み、自分は1人じゃないんだと思うことができました。その記事を読んでからは、常にエディテージからのメールをチェックするようになりました。もちろん、お腹の中の我が子の存在も励みになりました。プロポーザルを書いているときに、「ねえ、今はやらなきゃいけないことがあるの。だから協力してね。お腹の中でじっとしているのも大変でしょうけど、私は私で大変なの。力を合わせてこのプロポーザルを書き上げましょうね」と語りかけていたことを思い出します。その思いは我が子に通じていたのだと、今でも信じています。妊娠4ヶ月目に突入した頃にプロポーザルを書き上げ、母校である南アフリカ大学に提出しました。そして、ようやく合格を勝ち取ることができたのです!
これは、私にとって新たなスタートであり、博士号取得への旅の始まりです。妊娠と博士課程の両立は簡単ではなく、この数ヶ月はとても慌ただしく過ぎました。夫や理解ある家族のサポートを得ながら、すべてがスムーズに進むよう努力しました。でも、指導教官のレビューを受けて戻ってきたレポートをいくつか読み返してみると、自分が書いたものとは思えないほど、まとまりのない仕上がりでした。
でも、私は楽観的に過ごそうと決めています。最優先のことだけに対応して、残りは後回しにするのです。今、私にとって重要なのは、我が子の幸福だけです。この考えを正当化するつもりはありませんし、ほかの人に分かってもらおうとも思っていません。ゆっくりとでも着実に、博士号取得の道を突き進んでいくことに決めました(「突き進む」というと、大げさかもしれませんが)。私たちの辞書に、「あきらめる」という言葉はありません。我が子も私も、新生活を楽しみにしています。
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