質問: アクセプト後のe printについて
まずは、論文のアクセプトおめでとうございます!ご質問は、e-print版のシェアに伴う著作権の問題についてですね。
著作権の取り扱いには、大きく分けて2種類あります。出版社にライセンスのみ渡して著作権は著者が保持するか、出版社に著作権を譲渡するかです。前者の場合は、論文のコピーを第三者に渡すのは自由です。後者の場合は、出版社が何を許可するかによって、シェアできる範囲は異なります。ただ、たとえ出版社からいかなる許可も得られなくても、通常は、非営利の研究または私用目的である場合は、例外的にコピーを第三者に渡すことは自由であるとされています。つまり、論文のコピーを同僚や指導する学生や助成金の審査員らと共有することは、あらゆる形式の出版物で許可されており、エンバーゴの対象でもありません。
逆に、Research Gateや大学および個人のウェブサイトなどのリポジトリを介したパブリックシェアリング(公開共有)は、出版社ごとにエンバーゴ等の各種規制の対象となっていることがありますが、各出版社が設けている独自の条件や制約には、理解や評価が難しいものもあります。たとえば、ElsevierのAccepted Author Manuscript(AAM)のポリシーでは、商用利用または組織的配布を目的としない限り、著者はアクセプトされた原稿を私的に利用する権利、機関内で利用する権利、および許可された学術的投稿で使用する権利を保持するとされています。ほとんどのジャーナルは、シェアしたプレプリント版を、ジャーナル上の正式版とDOIでリンクすることを推奨しています。
念のためジャーナルに問い合わせて、e print版のシェアが許可されているかどうか、どの程度許可されているかを確認することをお勧めします。