共同研究を成功させるためのヒント

共同研究を成功させるためのヒント

今日科学研究とその成果の創出は、チームワークに大きく依存しています。あらゆる分野で科学技術急速発展

し、課題複雑化する中で共同研究研究者同士のコミュニケーションの機会ますます増えています。とくに、学際的研究におけるコラボレーション大きな注目と支持を集めています。


積極的で効果的な共同研究は、研究者のキャリアを発展させる上でおおいに役立ちます。コラボレーションによって優れたインスピレーションもたらされるだけでなく、視野が広がり、洞察が深まり、さまざまな研究リソースをより効率的に利用できようになるからです。


科学研究における協力には、研究者個人が他ユニット活動する協力、共同研究資金を活用する財政協力、技術サービスを提供する技術協力など、さまざまながあります。他ユニット研究者同士でアイデアを交換し合うという協力の形もあるでしょう具体的には、例えば協力なら互いの才能強みを生かして補完し合うため、研究過程におけるさまざまな障壁取り除く必要があります


共同研究を成功させる秘訣


協力の形かかわらず実りあるコラボレーションを実現するために、いくつか知っておきたいポイントがあります。


その1. 共通のビジョンと目標が何より大事

Microsoft Research AsiaエグゼクティブバイスプレジデントのDongmei Zhang博士は、以前あるフォーラムで、チームが協力して成功するための重要ポイントとして、ビジョン共有、信頼、共に向上すること、の3を挙げました。その中で、ビジョン共有成功の鍵と言えます


チーム目標一夜にして達成されることはありません。未知の事象や不確実な事柄多く存在し探索と試行錯誤の繰り返し求められますそのため、共同研究は一歩ずつしか進めない長期的なプロセスになりますが、それは科学研究の本来の姿と言えるでしょうだからこそ共通のビジョンと目標は、コラボレーションを長期にわたって秩序立てて維持するための鍵となるのです。共通のビジョンと目標は灯台のようなものであり、共同研究者たちは海遠く離れた位置に浮かぶ2隻の船のようなものです。当事者たちに共通のビジョンと目標がある場合のみ、多くの問題と困難を克服、目標に向かって前進続け、最終目標に到達することができます。


その2. パートナーシップ研究内容を明確化する

個人とユニットレベルで、書面で契約書を作成することをお勧めします。例えば、論文の帰属、リソース割り当て、作業分担などの条項を盛り込むことが考えられます。それぞれの責任と権利、作業内容、目標、プロセス、タイムラインを明確にしましょう。分業体制とコンセンサス明確定義しておくことで権利の帰属などをめぐるトラブルを回避でき、プロジェクトの実行スムーズになります。


その3. 定期的コミュニケーションを取る

定期的コミュニケーションを取ることで、研究者たちの間でひらめきが生まれやすくなります。それ天才的なアイデアにつながることも少なくありません。異分野の研究者間では、その傾向がとくに強まります。コラボレーションをより実り多いものにするためには、頻繁定期的なコミュニケーションを取ること不可欠です。状況に応じて週1または月1回の頻度でミーティングを開き、互いの進捗状況を報告し合い、直面する問題について話し合う機会を持ちましょう


その4. 相互の信頼と寛容

共同研究が失敗に終わる主な理由は、忍耐と寛容の欠如、共通の目標に対する妥協の難しさ、助け合うことの困難さです。コラボレーション信頼を築くには、コミットメントを維持し、責任感・透明性・包摂性を持つことがもっとも重要です。これらはいずれも、日々の業務に反映されるものです。


共同研究による一大イノベーションの可能性


各領域が交差する位置にある研究は、途轍もないイノベーションの可能性秘められています。例えば、ディープラーニングと構造生物学を組み合わせたGoogleAlphaFold22021年リリースは、構造生物学分野における破壊的イノベーションと捉えられています。


実際のところ、異分野にまたがる複雑なトピックには、共同研究で取り組むことがほぼ標準的な方法となっています。一人の研究者が複数分野の方法知識を習得することは不可能です。近年急速に成長している医療AI研究の分野で言えばAIの専門家に臨床医の専門知識を習得させることは非現実的でしょう。逆もまた然りです。さまざまなバックグラウンドや視点を持つ研究者たちが協力し合うことでこそ、素晴らしい研究成果がまれるのです

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