論文執筆ビギナーが知っておきたいアカデミックライティングのルール

論文執筆ビギナーが知っておきたいアカデミックライティングのルール

特定の世界や社会で受け入れられるには、その領域の慣習的なルールに従う必要があります。食事のマナーや服装をイメージすると分かりやすいかもしれませんが、これは論文の執筆にも当てはまります。この場合の「ルールに従う」とは、ジャーナル編集者、査読者、読者がスムーズに読み進められる、ミスや不備のない論文を用意することです。ルールに従っていない読みにくい論文は最後まで読んでもらえず、出版のチャンスを逃すかもしれないからです。この記事では、論文を書くときの慣習的なルールを、主に執筆初心者の方に向けてご紹介します。

 

アカデミックライティングの特徴とルール


アカデミックライティングには、次のような特徴とルールがあります。

 

アカデミックライティングは、フォーマルなもの。あらたまった席ではカジュアルな服装をしないように、アカデミックライティングでのくだけた表現は好ましくありません。

 

1) 短縮形を避ける:短縮形はフォーマルな形式ではないので、使用を避けましょう。

例) can’t ではなくcannot、it’sではなくit is、’causeではなくbecauseを使う。

 

2) 口語的な表現を避ける:口語表現には流行り廃りがあります。また、異なる文化圏や地域圏の人には理解しにくいことがあります。

例)guysやfolksではなくpeople、tough/diceyではなくdifficultを使う。

 

3) 句動詞などの慣用表現をなるべく避ける:英語のネイティブにとっては自然な表現でも、そうでない人には通じにくい可能性があります。英語は科学の共通言語ですが、現実の世界では、英語を母語としない人が多数派です。それを踏まえて、伝わりやすい表現を心掛けましょう。

例)figure out (理解する)ではなくunderstandを、cut in(中断する)ではなくinterruptを、bring in(導入する)ではなくintroduceを使う。

 

科学では正確性が第一。科学では再現性が求められるので、数や量などの正確性が重要です。方法と結果のセクションでは、とくに正確性が要求されます。正確さは単語にも求められます。たとえば、「胚」と「胎児」は同じではありません。発生後第8週末までを胚と言い、第9週以降出生までを胎児と言います。この違いを踏まえて、きちんと使い分ける必要があります。また、植物学では、地下にあるすべての部分を「根」と一括りには表しません。「根茎」、「茎」、「球茎」、「球根」、「塊茎」などのように、それぞれ異なる名称があります。このように正しい用語を使うことで、その分野に精通していることを示すことができます。

 

アカデミックライティングは非人称的。科学は客観的なものなので、アカデミックライティングでは人称代名詞の使用は推奨されません。重要なのは行動とその結果であり、動作主ではないからです。このため、アカデミックライティングでは受動態が多く使われます。

 

例: Air temperature was recorded every 24 hours beginning 0600 hours on the first day of the experiment.(実験初日の6時から24時間ごとに気温を記録した。)

 

このように、受動態で書けば動作の主体は問題となりません。ただし、次のような例では、能動態と一人称代名詞(I/we)を使っても問題ありません。

 

例: I initially ascribed the effect to high temperature but realized later that the change in colour was due to intense sunlight.(当初、色の変化は高温の影響だと考えましたが、そのご後、強烈な日光によるものであることが分かりました。)

 

アカデミックライティングには簡潔さが必要。内容を正確に伝えるには、簡潔さが重要です。ジャーナルの多くは原稿の制限語数を定めているので、論文全体を簡潔に書くことを心掛けましょう。たとえばScience誌は、原著論文を4500ワードまで、レビュー論文を6000ワードまで、レター論文を300ワードまでと定めています。簡潔に書くためには、文章の繰り返しは避けなければなりません。具体的には、タイトルをアブストラクトの冒頭で繰り返したり、方法や結果のセクションを考察セクションで繰り返したりすることを避けるようにしましょう。さらに、一文一文も冗長にならないよう気を配りましょう。以下は冗長な文の例です。

 

the fruits are brown in colour(果物は茶色です)

the crystal were cubical in shape(結晶は立方体の形でした)

 

茶色は色であり、立方体が形であることは自明なので、余分な単語であるin colorとin shapeは削除しましょう。

 

アカデミックライティングの対象読者を意識する。学術論文は、不特定多数を対象とした新聞や雑誌の記事と違い、同じ分野の研究者を読者と想定しています。それぞれの分野には、理解に必要な固有の概念、専門用語、基本文献があります。逆に言うと、ジャーナルの対象読者には最低限の専門知識があるはずなので、あえて基本から説明する必要はないということです。それが、簡潔で正確な表現にもつながります。

 

 

このように、アカデミックライティングには独特の特徴やルールがあります。しかし、多くの研究者が、これらのルールを十分に理解しないまま、複雑で難解で伝わりにくい文章を書いて損をしてしまっています。上記のような特徴やルールに沿って論文全体をバランスよくまとめるのは大変ですが、エディテージのトップジャーナル英文校正サービスの専門家たちは、そのスキルを身に付けています。

 

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参考記事:

A beginner’s guide to academic writing

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