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質問: Dr. Eddyのお悩み相談:不採択になった論文は処分したほうがいい?
研究のデザインと実行、論文執筆、書き直し、投稿、再投稿するという大変な仕事に心血を注ぎ時間をかけた後、何度も不採択になるのは、いかにやるせないことかとお気もち察します。けれどもここまで来たからには、どんなに強い衝動を感じても、あきらめるのは軽はずみなことかもしれませんよ!論文は、最初に投稿した時より今の方がだいぶ良くなっているはずです。
掲載プロセスにおいて不採択は自然で必要な一部であり、非常に著名な科学者でも立ち向かわなければならないことなのです。アインシュタインは、論文の一つが、フィラデルフィアにあるフランクリン・インスティテュートの雑誌に採択される前に、Physical Review に投稿し不採択になったといいます。不採択率と不採択の理由について議論している研究も多く行われています。
でも、がっかりすることはありません。処分しなければならないほど出来の悪い研究なんてないのですから。不採択になった論文をあきらめようと思う前に、それぞれの審査者のコメントの中心である、不採択の理由について考えてみましょう。ここでは、ジャーナルに対し論文をもっとアピールできるようにするためのステップを紹介します。
自分の論文と領域がよく合うジャーナルを選びましょう。単にインパクト・ファクターが高いジャーナルを探すのはやめましょう。インパクト・ファクターが低いジャーナルでも、論文により適した読者層だということもあるのです!
- リサーチ・クエスチョンを見直しましょう
これまでにない研究、非常に興味深い発見を行っていても、リサーチ・クエスチョンが悪い、あるいは正しいリサーチ・クエスチョンを間違った方法で構成してきたのかもしれません。リサーチ・クエスチョンをひねくり回し、言い換えてみましょう。これを微調整することで、発見が前よりずっとおもしろいものになることがわかって、驚くかもしれません。
- 実験を精錬しましょう
いくつか追加実験を行う、あるいは方法を少し変えるだけで、これまで思いもよらなかった結果を得ることも、時にはあるかもしれません。
- より多くのデータを示しましょう
たぶん今提示されているデータが不完全だったり、さらに進んで、実際には編集者が、論文で触れられていないデータに興味を持ったりするかもしれないのです。データをすべてよく調べ、報告に値することを見逃していないか確認しましょう。
- 論文をうまく見せましょう
内容・構造・形式の点で、明快かつ魅力的な論文になるようにしましょう。
国際的ジャーナルの編集者は、英語を第二外国語とする(ESL)著者に偏見を持っているのでは、と心配しているかもしれません。けれども、努力を続け、研究がすぐれた掲載の基準に達していれば、きっと最終的には成功を味わえるはずです。