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質問: 査読前の取り下げについて
ジャーナルのそのような対応は異例なので、苛立ちやフラストレーションを感じるお気持ちは分かりますし、原稿を取り下げようと考えるのも理解できます。
しかし、行動に移す前に、修正が十分でない可能性がゼロではないことも考えて、一度だけジャーナルの対応を「好意的に解釈」してみることをお勧めします。これにはいくつか理由があります。別のジャーナルに投稿し直したとしても、投稿プロセスを一からやり直さなければなりません。今のジャーナルなら、すでにプロセスは開始されており、そしておそらく、これまでの修正によって、原稿は多少なりとも改善されているはずです。修正が内容に関するものなのか、スタイルやフォーマットに関するものなのかは不明ですが、もし後者なら、ジャーナルガイドラインの確認に足りない点があって不備が生じていることも否定できません。また、前者なら、査読段階での話になるように思われるので、いずれにせよ、査読前に修正を求めるジャーナルの対応は実に奇妙です。
今できるのは、査読前の修正に関する要求について、メールでより詳細な情報を求めてみることです。その回答によって、今後の対応を決めるとよいでしょう。もし、返答が「これはプロセスの一部です」のような一般化されたものであれば、別のところへの投稿を検討してもよいでしょう。一方、「AおよびBのフォーマット指示に従ってください」、「方法セクションにXおよびYの詳細を含める必要があります」などの具体的な返答が得られたら、ジャーナルの対応は、あなたの原稿のことを考えて行われているものだということが分かります。メールでは、査読前にこれらの修正を行うことでアクセプトの可能性が高まるのかを尋ねてみてもよいでしょう。その答えがノーなら、原稿の取り下げが可能かどうかを確認しましょう。このように、メールで複数のポイントに関する疑問を投げかけてみましょう。
ご質問への回答としては、たとえ査読前でも、取り下げるのであればその旨を伝え、その理由を告げる必要があるということになります。とくに今回の場合、ジャーナルは一定の時間と労力をあなたの原稿に注いでおり、原稿はジャーナル側でアクティブな状態です。取り下げれば、原稿はアーカイブされ、それ以上の時間と労力が注がれることはないはずですが、そのあたりは、手順にのっとって行われるでしょう。また、別のジャーナルに投稿する際は、取り下げの経緯に関するメールを、参考用もしくは証明用の資料として提供する必要があります。ですので、不当に厳しい要求がなされていた場合も、礼儀正しいやり取りをすることが適切です。
原稿を取り下げて別のジャーナルに投稿することにした場合は、同じことが起こるのを防ぐために、カバーレターに事の経緯を記すとよいでしょう。投稿前の問い合わせを行えば、よりベターです。
また、今回の原稿が英語なら、
状況が好転しますように!
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