質問: 類似論文について

質問の内容 -
実験にもとづく論文を投稿しました。論文を始めにジャーナルに送った日(Article History として掲載されます)の3週間後に、外国のグループから、主要な部分では同じ実験をおこなった論文が出版されました。結論は同じでタイトルまで似ています。初回のリバイス時には気づいてなかったのですが、次はDecline to revise すべきですか。
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回答:

ジャーナルに投稿した自分の論文だけでなく、分野のほかの論文の動向もしっかり追っているのは、素晴らしいことです。また、自分の論文を完全に倫理的な状態に保とうとするのは、立派な心掛けです。あなたはきっと、先手を打てる方なのでしょう。これらはどれも、研究者としての優れた資質なので、どうか誇りに思ってください。

さて、新たに発表された論文が自分の論文とそっくりで、うっかり先を越されたことに気づいたら、さぞかしがっかりすることでしょう。それによって、自分の論文のオリジナリティがなくなり(少なくとも薄まり)、出版がかなわなくなってしまうからです。おまけに、これまでの努力がムダになってしまうかもしれません。


現状を踏まえて、以下の提案をしたいと思います。

  • あなたの論文は、大幅修正を経て、あとは小幅修正という段階にあると思われます。論文を再投稿したばかりなら、編集者に連絡して、状況を報告しましょう。編集者と査読者は、新たに出版されたその論文を見た上で、あなたの論文の取り扱いを決めるでしょう。出版は進められないという判断になるかもしれませんが、編集者へのレターなどの小論文という扱いになる可能性もあります。一方、新たに出版された論文とは別物になるように何らかの変更を加えた上で、出版を進めるという判断が下されることも考えられます。その場合は、編集者とよく相談しながら進め方を検討しましょう。
  • あるいは、別の論文の結果を再現するという観点から、今の論文を新規投稿という形で投稿することを提案されるかもしれません。再現性を確認するための論文には、重要な役割があります。ジャーナルがそのようなオプションを用意していなければ、再現論文に変更した上で別のジャーナルに投稿することを考えてみましょう。その場合、まずは投稿前の問い合わせを行なって、経緯を説明しましょう。こうすることで、時間と労力を節約することができます。
  • 上司やスーパーバイザーにこの状況への対応の仕方を相談してみましょう。
  • (然るべき人に相談した上で、)論文を修正して何らかの形で新規投稿を行うことに決めたら、私たちの校正サービスのご利用もご検討ください。他社の校正サービスとは違い、言語やスタイル面だけでなく、専門的な観点からもレビューを行なっています。レビューを行うベテラン査読者が、ほかの論文とは一味違うものに仕上げるためのコツを伝授します。


関係者との協議調整の結果、あなたの論文が何らかの形で生きることを願っています。ご活躍をお祈りします!


このコンテンツは「研究の実施」ステージに属しています。

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