AI型の最新ツールで文献検索をもっとスムーズに
学術研究では、文献検索は避けて通れないプロセスです。論文を書くなら、まずは徹底的な文献検索を行うことが必要になります。しかし、検索に時間を掛けすぎれば、執筆開始がずれ込んで、業績の発表に遅れが生じかねません。また、現代の研究者は多くのタスクに追われ、そもそも文献検索に多くの時間を掛けられないという現実もあります。さらに、デジタル時代の今、文献にはアクセスしやすくなったものの、今度は数が多すぎて、その中から信頼できる文献を選ぶのが難しいという状況が生まれています。
いち早く執筆に着手して書くことに集中するために、文献検索はできるだけ効率よく進めたいものです。この記事では、文献検索をスムーズに進めるためのヒントとツールをご紹介します。
文献検索をスムーズに進めるためのヒントを、以下にまとめました。
スムーズな文献検索のヒント
- 適切なキーワードを探る:自分の研究領域をおおまかに区分していくつかのワードを決め、それをもとに適切なキーワードを探っていきます。特定したワードの類義語や代替語句も書き出すと、検索の幅が広がります。
- 複数のデータベースで調べる:エルゼビアのある調査によると、研究者の37%が、出版されている論文のうち信頼に値するのは半分にすぎないと考えています。信頼できる文献を探すためには、幅広いエリアを検索する必要があります。著名なデータベースや、査読誌が収載されたデータベースをくまなく検索しましょう。検索範囲が偏っていると、検索漏れが生じる可能性があります。
- 引用文献から検索する:どの論文にも、参考文献がリストアップされています。関連文献を見つけたら、その論文が引用している文献を検索し、それを手掛かりにしてさらにさかのぼって検索してみましょう。
- 気になる文献をブックマークしておく:気になる文献が見つかったらその場でざっと内容を確認し、良さそうであれば忘れずにブックマークしておきましょう。オンライン情報は日々更新されるので、後日再び見つけようとしても見つからない場合があります。
- 出版社等のニュースレターを購読する:膨大な出版論文の中から信頼できるものを見つけるのは大変です。出版社等のニュースレターを購読したり、データベースからの通知を受け取れるように設定しておくことで、最新情報にキャッチアップし、関連情報をある程度絞り込むことができます。
- 文献管理ツールを使う:論文のダウンロードや保存、文献のリスト化などができるさまざまなツールがあるので、自分に合ったツールを取り入れて作業の手間を軽減しましょう。
最後の「文献管理ツールを使う」でもっともお勧めしたいのが、文献管理を一元化できるワンストップの無料ツール、R Discoveryです。(R Discoveryは、カクタス・コミュニケーションズが提供する、研究者のためのエコシステム「R」の1つです。)
研究者の意見を取り入れて作られたこのツールは、AIの力を使って文献検索をパーソナライズする最新機能を備えています。R Discoveryの特長は次の通りです。
R Discoveryの特長
- おすすめの論文を紹介:分野を登録しておくと、おすすめの論文が毎日3本ずつ紹介されます。読むべき論文を、もう自分で探す必要がありません。
- いつでもどこでも最新情報を入手:新しい論文が出版されると、閲覧履歴をもとにメール等で通知が送られます。そのため、外出先でも最新情報を把握することができます。
- 関連文献を見逃さない:AIがあなたの閲覧傾向や関心対象を深く分析し、一見関連の薄そうな情報も駆使して、適切な論文を教えてくれます。自分では見つけにくい論文を紹介してくれるので、見逃しがなくなります。
- 論文のハイライトを表示:検索された論文のハイライトが表示されるので、読むべき論文の取捨選択がしやすくなります。すべての論文の本文に目を通す必要がなくなり、時間を節約できます。
- ライブラリをインポート:Mendeleyや Zoteroなど、ほかの文献管理ツールのライブラリをインポートすることができるので、簡単に情報の集約ができます。
- 使い勝手の良さ:シンプルなインターフェース、直感的に操作できる検索オプション、閲覧履歴と閲覧パターンの分析、ワンクリックのブックマーク機能で、重要文献に素早くアクセスできます。
また、分野横断的な研究に取り組んでいる方のために、複数の分野を登録できる機能が近日中に追加される予定です。R Discoveryについての詳細はこちらをご確認ください。
無料アプリのダウンロードはこちらから:Google Play/App Store
科学技術の発展に伴い、各業界でイノベーションが生まれています。学術出版界も例外ではなく、研究者をサポートするためのデジタルツールが続々と登場しています。新しいツールを使うことで、煩雑で面倒だった作業が驚くほど簡単に片付くことがあるので、便利なツールは積極的に取り入れることをお勧めします。負担が減ればストレスも軽減されます。きっと、メンタルヘルスにも良い影響があるでしょう。ぜひ自分好みのツールを見つけて、論文出版プロセスをスマートに乗り越えてください!
参考資料
https://researcher.life/blog/article/literature-search-streamline-strategies/
若手研究者のためのデジタルツールガイド:文献検索と文献管理ツール
若手研究者のためのデジタルツールガイド:プロジェクト管理とデータ共有ツール
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