剽窃チェックの重要性:あなたの論文は大丈夫?
研究者は、実験に学会に文献検索にと日々多忙な活動に追われています。その上、論文を出版しなければならないというプレッシャーにもさらされています。論文の執筆はただでさえ時間のかかる大変な作業なので、非英語圏の人が英語論文を書くとなれば、負担はさらに高まるでしょう。
ストレスを感じながら時間に追われるうちに、中には、ふと魔が差して他人の成果物を無断で流用することを選んでしまう研究者もいます。しかし、先行研究を参照・引用する場合は、論文内でそのことを明記するというルールがあります。他人の成果物を黙って使うことは、きわめて非倫理的な行いとされ、剽窃行為とみなされるのです。剽窃行為が確認されれば、学術界での地位、職、資金、信用を失うことにつながります。剽窃行為が認定された投稿論文がリジェクトされるのは当然ですが、過去の実績への信用さえも失うことになるでしょう。
「自分は不正をするつもりはないから大丈夫」という人も、注意が必要です。たとえ故意でなくとも、結果として剽窃行為とみなされる点があれば、いい加減な人という烙印を押されて信用を失うことになるからです。
剽窃にはどのようなタイプがあるのか?
剽窃にはさまざまなケースがあります。明らかに不正と思われるものから、「これも不正なの?」と感じるものもあるかもしれません。疑いを持たれることのないように、さまざまなタイプの剽窃を把握しておきましょう。
故意の剽窃
意図的にデータや文章の捏造、改ざん、盗用などを行うことです。他人の成果物やアイデアを、クレジットを表示せずに自分のものとして利用すると、故意の剽窃とみなされます。これは基本的ルールなので、「知らなかった」では通らないでしょう。
故意でない(意図しない)剽窃
知識不足や不注意などから、結果的に捏造、改ざん、盗用にあたる行為をしてしまうことです。不正確な引用もここに当てはまるでしょう。もちろん、ほとんどの研究者は誠実に取り組んでいますが、先行研究の参照・引用に関する基本的ルールをはじめ、倫理事項に関する知識が不十分だと、意図しない剽窃につながってしまうことがあります。特定の文化圏の若手研究者に見られる例として、分野の権威である著名研究者の言葉を言い換えるのは失礼にあたると考え、そのまま使ってしまうケースがあります。また、経験の浅い非英語圏の研究者に見られる例として、専門性の高い技術や内容を自分の英語で言い換えること(パラフレーズ)に自信がなく、そのまま使ってしまう例もあります。これらはいずれも剽窃行為に該当します。
自己剽窃
自分の過去の成果物を、参照元として示さずに使用することです。「自分が書いた論文だから問題ない」とつい思ってしまいそうですが、自分の成果物も他人の成果物と同じように扱う必要があります。また、自己剽窃は重複出版とも呼ばれ、著作権侵害につながる可能性もあります。
その他の剽窃にはどのようなものがあるのか?
以下のような行為も不正とみなされます。これらは、故意の場合もそうでない場合も起こり得ます:
- 研究に貢献した人に言及しない。
- 一次文献にのみ言及し、その一次文献にたどり着くために参照した二次文献に言及しない。
- ずさんな文献検索によって、間違ったソースや存在しないソースを示してしまう。
いかがでしょうか。気を付けていても起こる可能性がある剽窃は、けっして他人事ではありません。そして、投稿論文に剽窃を疑われる箇所があれば、リジェクトにつながります。だからこそ、投稿前にしっかり剽窃チェックを行うことが重要なのです。
剽窃を避けるためにはどうすればいいのか?
では、剽窃を避けるためにはどうすればいいのでしょうか?もっとも簡単なのは、論文の剽窃チェックツールを使うことです。エディテージでは、論文の剽窃チェック機能が付いたサービス、R Pubsureを提供しています。これは、エディテージの姉妹ブランドが提供するAIベースの原稿評価ツールです。R Pubsureには無料のLiteバージョンと有料のProバージョンがありますが、Proバージョンならオンラインでの剽窃チェックを含むすべての機能を利用することができます。
R Pubsure Proバージョンの主な特徴
- 剽窃チェックを行なってレポートを作成します:デスクリジェクトの回避に役立ちます。剽窃チェックのサンプルレポートはこちらからご覧頂けます。
- 修正提案が示されたワード文書をダウンロードできます: 変更を承諾するか元に戻すかを選ぶだけなので、時間を節約できます。
- 英文の質や構成の完成度を判定します。
- 図表の引用にずれなどがないかチェックします。
- 満足できるまで、何回でも利用可能です!
R Pubsureについての詳細は、こちらをご覧ください。
ジャーナル編集者や査読者は、剽窃を見逃しません。文章によって文体や英文レベルが違うことから疑いを持つこともありますし、剽窃されやすい文献を知っているため、見覚えのある文章に気づくこともあります。また、最近では多くのジャーナルが剽窃チェックソフトを使っているので、剽窃は特定しやすくなっています。
冒頭で述べたように、不正行為の代償は非常に重いものです。取り返しがつかないことになる前に、軽い気持ちで剽窃に手を出さないことが大事です。そして、精魂込めて仕上げた論文を守るために、意図しない剽窃を防げるよう、R Pubsureで事前の剽窃チェックを万全に行なってほしいと思います。
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