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質問: 化学系分野でIF2の雑誌はどの程度のインパクトがあるのでしょうか。
ジャーナル選びにおいて、インパクトファクター(IF)は議論の余地のある問題です。
それでは、ご質問に一つずつ答えていきましょう。
まず、IFが2~2.5のジャーナルは、どちらかと言えば低い方に入るかもしれませんが、極端に低いというわけではありません。多くのジャーナルはこの範疇に入ります。実際、ジャーナルの大半は、IFが1から1強です。したがって、IFが2~2.5のジャーナルは、大半のジャーナルよりはインパクトが高いとみなされるでしょう。IFが5以上のジャーナルは高インパクトとみなされますが、その数は非常に限られており、ほとんどのジャーナルはIFが1~2の範囲に入っています。これらの指標に関する詳細とその意味合いについては、こちらを参照してください。
ただ、ジャーナルにどれくらいの歴史があるのか、IFが上昇傾向にあるか下降傾向にあるか長年一定なのかといった、その他の要素も考慮する必要があります。IFが比較的低いジャーナルは、たいてい新しいジャーナルです。オープンアクセス(OA)化への動きが活発になる中、OAやハイブリッド型(OAモデルと購読モデルの混合型)で、多くのジャーナルが創刊されています。
また、先ほども述べましたが、IFを、ジャーナルを選ぶ際の唯一の判断材料とするべきではないでしょう。近年、IFは、要素としての重要性が下がっています。そして、ジャーナルの信望を測るその他の尺度が生まれています。研究者は、とくに若手ほど、依然としてIFに重きを置いていますが、一方で出版社やベテラン研究者は、IF以外の部分も見るよう主張しています。このテーマについてのさまざまな見方は、以下の記事でご覧頂けます: