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"私にとっては、品質の高い校正とは細部への注意力、そして科学への好奇心と敬意のなせるわざだと思います"
専門分野とこれまでの経歴の経験を教えてください。
私は環境科学の研究者として20年以上にわたり環境品質研究、地球科学、水質浄化、ソースコントロール、調整プログラムの開発を行っています。もともとは川や湾岸の汚染浄化の分野で研究をしていまして、将来は魚や野生動物の生息環境の復元などに力を入れていきたいと考えています。カリフォルニア工科大学で化学の学士号を取り、その後マサチューセッツ工科大学で地球、Earth, Atmospheric, and Planetary Sciencesの修士号を取得。そしてカリフォルニア大学ロサンゼルス校にてEnvironmental Science and EngineeringのPhDを取得しました。
過去には数え切れない量のジャーナル記事、政府系の報告書、トレーニング・マニュアルを執筆し、自著、共著ともにさまざまなノン・フィクションの本を出版しました。また、“Environmental Toxicology & Chemistry”、“Human and Ecological Risk Assessment”、“Integrated Environmental Assessment and Management” などの科学ジャーナルの査読も行っています。編集・校正者としては、原稿やレポートや教材、外国語翻訳や国際的な科学出版のための校正を専門としています。私は旅行が大好きなので、できるなら
今の研究の仕事をリタイアして、エディテージの校正の仕事をしながら世界中のいろいろな場所を旅できたらいいな、なんて思いますね。
英文校正という仕事の魅力とは?
校正の仕事をしていて面白いのは、自分の大学時代にはまだ発見されていなかった科学分野の最新の情報を知ることができることですね。この仕事を始める前と比べて、化学や生物学、医学についての知識が以前よりもずっと増えたと思います。私はいろいろな分野の仕事をするのが好きで、次はどの分野の仕事が来るのかわからないこのわくわく感が大好きです。一つ一つの原稿が、新しい知識やこれまでには知らなかった科学の世界の違った視点を与えてくれます。
さらに、研究のレベルは高いのに読みづらい科学論文の英語とフォーマットを磨き上げてプロフェッショナルな論文に仕上げる作業は、とても満足感の高い仕事です。重要な研究成果が確実に出版されるようにサポートする、科学を発展させるための小さな役割を果たしていることに喜びを感じます。日本や韓国、中国、ブラジルなどの研究者にとって、研究を出版することがどれほど困難なことか、著者の方たちのお気持ちはよくわかります。自分自身が研究者として、そして査読者として、品質の高い校正や投稿前ピアレビューの仕事に関われることを嬉しく思います。これは素晴らしいサービスですし、特に経験の浅い研究者にとって、論文の内容とジャーナルからの受理の可能性を上げるのに役立つサービスだと思います。
品質の高い校正を行うために必要な能力とは?
私にとっては、品質の高い校正とは細部への注意力、そして科学への好奇心と敬意のなせるわざだと思います。20年の専門的・科学的な経験から、基本的な校正スキルは当然ありますが、それでも原稿には自分の集中力を最大に傾けることが重要なので、疲れているときや、あわてているとき、他のことに気を取られているときには原稿の校正はしないようにしています。文章の意味や研究結果の正確性を変えずに、原稿に全体的に手を加えることができるまでにその科学を十分理解し、一本一本の原稿に十分な時間をかけます。この作業では、校正する原稿だけでなく、その研究分野のほかの論文の一部を読んで、著者が伝えようとしていることを正確に伝える表現を確認したり、伝えたいことを定義したりするプロセスも含まれます。著者が論文を出版したいジャーナルに掲載されている例となる論文を読んで、ジャーナル投稿規程に加えて、ジャーナルのスタイルや要求に慣れるように勤めます。つまりは、原稿の校正には自分の論文に書けるのと同じだけ手をかけるのです。これが高い品質標準を保つための重要なポイントです。
若い校正者へ、よい校正者になるためのアドバイスを
自分の研究の興味を、読書や出版、学会への参加を通じてできるかぎり維持することです。科学に関わり続けることは、自分がやっている仕事の価値を思い出させてくれます。たとえどんなに締切りが厳しくても、校正作業が大変でも。そして、よい校正者とは強い倫理観と細部への敬意を持った者のことです。例えば引用文献の中のほんの小さなピリオドの位置のミスを見つけることにプライドを感じられたら、あなたは確実にお客様に最高の原稿を届けられるでしょう。
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