ジャーナルも出版社も学会も、今すぐソーシャルメディアを活用しよう
ソーシャルメディアの恩恵を受けるのは研究者個人だけと考えているなら、それは誤解です。学術出版社やジャーナルやその他の組織も、ソーシャルメディアを活用することで多くのメリットを得ることができます。ソーシャルメディアを利用していない出版社は、今すぐその判断を改めるべきでしょう。以下で、学術出版社がソーシャルメディアを活用することのメリットを紹介します。
ジャーナルや出版社はフォロワーを「探す」必要がない:
ジャーナルや出版社の場合、すでにともに論文を出版した大勢の著者たちとの関係があります。その著者たちが、自分の論文の出版元であるジャーナルや出版社のソーシャルメディアアカウントをフォローしない理由はないでしょう。また、これから論文を出版しようと考えている研究者もいます。そうした人々もまた、ジャーナルや出版社が発信する情報や各機関の最新情報にアンテナを張っています。さらに、学術出版に関わる査読者や編集者なら、もともとジャーナルや出版社の活動への理解があり、ソーシャルメディアでつながることにも関心を持っているでしょう。以上のように、ジャーナルや出版社はすでに大勢の潜在的フォロワーを抱えているので、ソーシャルネットワーキングのプラットフォームを活用しさえすれば、コミュニケーションの輪に入ることができるのです。
新たな著者の関心を引く絶好の機会である:
ジャーナルや出版社の成否は、著者の存在にかかっています。世界中の研究者たちが執筆した興味深い論文を自分たちが幅広く出版していることをソーシャルメディアでアピールすれば、新たな著者の興味を引きつけることができるでしょう。デジタル戦略の一環としてソーシャルメディアを取り入れることで、ターゲットへのより効果的な情報発信が可能になります。
評判や知名度の向上につながる:
自社の出版物について積極的に取り上げ、学術出版に関する情報をシェアすることで、自分たちが特定の分野に熱心に関わっているというポジティブなメッセージを発信でき、業界をリードする存在としての評価を高めることができます。投稿を募集するだけでなく、学術出版に関するトピック(オープンアクセス、プレプリント、査読など)について発信するようにしましょう。
一般コミュニティとの接点になる:
ソーシャルメディアは、多くの人に情報を届けることができるツールです。一般向けにまとめた研究概要やアブストラクト動画を利用して、適切なプラットフォームで最新の画期的な研究に関する情報をシェアしましょう。そうすることで、科学的背景を持たない一般の人々にもインパクトを与えるとともに、最新の重要な科学情報を把握できる機会を提供できます。このような取り組みによって、最新の発見や研究に関する確かな情報と、人生を変えうる知見を提供する、信頼できる情報源として認められるでしょう。
リアルタイムでのコミュニケーションが可能になる:
学術誌や出版社はこれまで、いろいろな意味でソーシャルメディアほど強力なリソースを持った経験がありません。ソーシャルメディアでは、かつてないほど簡単にターゲットとつながることでき、しかもそれをリアルタイムで実現できます。ソーシャルメディアでは、コミュニケーションが発展し、形成され、進化していく様子をリアルタイムで観察でき、人々の懸案事項に対してその場で解決策を提示することができます。
以上が、ソーシャルメディアで交流して最新情報をシェアすることに伴うもっとも分かりやすいメリットです。もちろん、これらのメリットを得られるのはジャーナルや出版社だけではありません。助成機関、学術機関、民間企業、サービスプロバイダーなども、ソーシャルメディア・プラットフォームを通して学術コミュニティと交流することで、恩恵を受けることができます。
本シリーズの後編では、オンライン・インフォグラフィック作成ツール「Visme」の創設者、ペイマン・タエイ(Payman Taei)氏に、学術誌・出版社・学会がソーシャルメディアを上手に活用するためのアドバイスを頂きます。
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