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展望:将来のh指数を測る新しい公式
ここでは、科学分野の国際ニュースで強い印象を与え、注目を浴びた最近の研究論文を取り上げます。イリノイ州シカゴで別々の大学に所属する3人の研究者が、先日ネイチャー誌にある論文を発表し、5年後のh指数を予測するのに使える新しい公式を提案しました。
h指数とは、カリフォルニア大学の物理学者ジョージ・ハーシュが考案し、彼にちなんで名づけられました。研究者が発表した論文の質と量に関する指標で、その研究者の科学的影響力を示しています。
h指数の発明以来、科学者の研究の影響力をより正確に測定できる別の指標を見つけようと、数多くの研究グループがそれぞれ独自に研究してきました。そのために150本以上の論文が発表され、h指数と異なる他の指標が提案されています。
それではネイチャーに掲載されたこの論文の何が特別なのでしょうか?
第一に、将来を見越してh指数を予測しようとしている研究はこれが初めてと思われます。著者たちの目的は、研究者の過去の研究が将来の影響力を予測するのに利用できるかどうか判断することでした。公開されている学術データベースのスコーパス(Scopus)を使い、3000人の神経科学者といく人かの生命科学者の論文発表、引用、研究費の記録をとりだしました。最初の実験では、博士課程を修了するまでにかかった時間や、研究の指導者が誰かといった質的な変数を考慮しました。しかし後に、これらの変数は最終的な方程式では必要がないことがわかりました。
そこで著者たちは、研究者のh指数、発表論文数、最初の論文発表から何年たっているか、トップランキングのジャーナルに掲載された論文数、異なるジャーナルに掲載された論文数を考慮した方程式を計画しました。さらに、この情報を、その研究者が将来とりうるh指数を示す数字に変換しました。もっと興味深いのは、オンラインでの計算により、このアルゴリズムを誰でも手に入れられるようにした点です! サイトに行き、自分の統計値を入力して、今から5年後のh指数がどうなるか見てみましょう。
サイエンティストに掲載されている論文に見られるように、この新しい指標はすでに、科学コミュニティから相反する論評を受けています。つまり、ある分野においてはこの指標の使用に注意が必要と考える研究者がいるのです。さらに著者たち自身も、生命科学以外の分野ではこの新たな指標が正確さに欠ける可能性があり、査読の代わりにはなれないと述べています。
にもかかわらず、この指標はh指数が持ついくつかの限界を克服しているのです。例えば、研究者になったばかりで一般にh指数が低い若手にとっては、得るところが多いでしょう。著者の Acunaらが期待しているのは、雇用や終身在職権(テニュア)の決定を行うため、研究者の将来的な成果を予測しなければならないテニュア委員会にとって、この新しい指標が有効なツールになることです。
科学的影響力を測定するという問題は、事実、リサーチコミュニティにおいてよく議論となるテーマですし、おそらく今後もそうでしょう。一つの指標が、一人の科学者の価値を100%正確に測定するということはありえないことです。しかし、科学者とは relate best to numbersしがちなものなので、完璧な指標の追及がそのうち終わるとも思えません。私たちが力を尽くせることと言えば、正しい意図でこの探求を続け、影響力を測定するツールの新たな開発に遅れをとらないようにし、自分たちが最も引き立つように手に入る指標を組み合わせて利用するくらいです。どんな場合でも、その研究論文の価値を決めることができるのは、研究論文を読み、研究を再現しようとすることによってだけなのです。
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