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質問: 国際機関の出版物から図を引用する場合、使用許可を得る必要はありますか?
ご質問の要点は、国際機関や国立機関が公開しているデータを使用または再利用する際に、許可を得る必要があるかどうかということですね。まずはこの要点に回答し、それから個々の質問に答えていきたいと思います。
このコンテンツも、学術誌と同じく、(とくに明記されていない限りは)個別の組織が著作権を持っており、コンテンツの使用に関するガイドラインや方針が定められています。ガイドラインは通常、各ウェブサイトの著作物の利用/許可/方針等の名前が付いたページやセクションで見ることができます。たとえば、経済協力開発機構(OECD)は、OECD Terms and Conditionsというページに方針を明記しています。ほとんどのガイドラインは、コンテンツを編集しない限り、引用元を示せば許可を得ることなく自由に使用することができると定めています。引用元の示し方については、それぞれのスタイルが定められているので、引用先のサイトを確認しましょう。
一方、コンテンツを何らかの形で編集したい場合は、許可を得なければならない可能性が高いでしょう。ただし、各サイトで、許可が不要となる許容範囲が示されています。したがって、この場合も、各サイトでそれぞれの許容範囲を確認しましょう。たとえばOECDの規約ページでは、出版物やワーキングペーパー(表など)以外の資料について、次のような記述があります:「資料全体の30%以下、または資料内の図表が計5点以下であれば、書面による正式な許可を得ることなく無料で使用することができる。ただし、いかなる変更も加えてはならず、次のように引用元を示すこととする:OECD/[(もしいれば)共著者][年],[タイトル],URL」。
許可を得る場合は、規約のページ/セクションにあるフォームからリクエストを送るのが一般的です。機関(サイト)によっては、各種文献やコンテンツの著作権を扱う組織であるCopyright Clearance Centre(CCC)にリダイレクトされます。
具体的な質問への回答も概ね上記の通りですが、以下のようにまとめます:
- 国立機関が公表しているコンテンツに対する許可:コンテンツに大幅な変更を加えないのであれば、引用元を示すだけで構いません。
- 非営利目的と営利目的による手続きの違い:コンテンツやデータを営利目的で使う場合は、許可を得る必要があります。
- 表と、グラフ/画像/写真の手続きの違い:この2種類のデータの使用について、特筆すべき違いはありません。先述した通り、データを編集しない場合は、引用元を示すだけで十分です。ただし、1点注意する必要があるのは、画像や写真(基本的に、純粋なグラフィカルデータ)の著作権が、引用元の機関にあるか別の機関にあるかということです。すなわち、引用元が別の第三者から許可を得て使用しているデータである場合は、引用元ではなく、第三者から許可を得る必要があるということです。
ところで、ご質問には一部矛盾している点があるようです。図は「編集せずに」使用したいと述べている一方で、グラフの「一部を抽出したい」と述べておられます。いずれにせよ、上記のポイントを参考にして、妥当な対応を取るようにしましょう。
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