慢性疲労症候群の原因は炎症にあり?
疲労や不調を感じている日は、集中力や生産性が低下し、仕事に支障をきたすことがあります。毎日のように不調が続いた場合のことは、想像もしたくないでしょう。しかし、慢性疲労症候群を患う人々は、長期にわたる極度の疲労感に悩まされています。この度、この病気の原因を説明する新たな研究結果が発表されました。
スタンフォード大学医学部の研究者らは、ハイスループット分析を用いた慢性疲労症候群と炎症との関係に関する研究結果を発表しました。Proceedings of the National Academy of Sciences誌に掲載されたこの論文によると、米国には少なくとも百万人の慢性疲労症候群発症者がいるということです。研究者らは今後、この病気を診断するための臨床検査を実施する計画です。
慢性疲労症候群は、日常的な疲労や気分の落ち込みと混同されやすく、患者自身に原因があると考えられがちですが、研究者たちは、この病気には極度の疲労、インフルエンザに似た症状、筋肉痛、ブレイン・フォグ(頭に霧がかかったような状態)などの症状が伴うと説明しています。また、少しでも無理をすると症状が悪化します。寝たきりになる患者もおり、サポートなしでは生活ができなくなるケースもあります。
今回の研究結果が発表された背景には、炎症に効く薬を発見することへの期待がありました。依然として不明な点が多い慢性疲労症候群ですが、研究者たちは、製薬会社が積極的に治療薬の開発に取り組んでくれることを望んでいます。今から10年後には、研究がさらに進み、症状を和らげるために具体的に何をすべきか、そして何ができるのかを、研究者たちが把握できるようになっていることが望まれます。
ソース:
DOI: 10.1073/pnas.1710519114
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