ハゲタカ出版社を見抜くための10のチェック項目
ハゲタカ出版社とは、多くの場合、査読という重要なプロセスを経ずに、著者に高額な論文掲載料を要求したり、出版を保証したりする出版社を指します。ハゲタカ出版社がちらつかせる安易な出版ルートは、研究者にとって好都合な申し出であるため、その罠に多くの研究者が引っかかってしまっています。このような疑わしい組織が低品質な研究を生産するビジネスを行うと、研究者のみならず、学術出版全体が損失を被る危険性があります。学術出版界を守るためにも、著者は、本物と偽物のジャーナルを見分ける術を学び、自己防衛を行う必要があります。以下の図は、論文を投稿するジャーナルを選ぶ際の注意点をまとめたチェックリストです。(ジャーナルのウェブサイトをチェックする際の確認事項を中心にリスト化したものです。)
※こちらの図は、PDF版のダウンロードが可能です。プリントするなどして、参考資料としてお気軽にご利用ください。
ハゲタカ出版社を見抜くためのチェックリスト
確認事項 | チェック内容 |
連絡先 | ・ジャーナルのウェブサイトに正式な連絡先情報が記載されているか ・有効な連絡先が記載されているか |
対象領域 | ・複数の領域が対象となっていないか ・相互の関連性が低い、広範な分野が対象となっていないか |
編集委員会 | ・専門分野とのつながりが深い、著名な研究者が含まれているか(ヒント: ジャーナルとの関係について、何人かに問い合わせてみましょう) |
論文掲載料の方針 | ・高額な論文掲載料を要求していないか(ヒント:投稿前に確認すること) |
掲載論文の質 | ・良質な論文を掲載しているか(ヒント: 上司や指導教官の評価を聞いてみましょう) |
査読プロセス | ・ウェブサイトに査読プロセスが明記されているか(ヒント: 信頼できるジャーナルであれば、たいがい明記されている) |
インデックス情報 | ・著名な出版社協会のメンバーか ・ICV*を採用していないか |
論文の撤回方針 | ・論文の撤回方針を明確にしているか(ヒント: 投稿規定などを確認しましょう) |
著者へのアピール | ・出版や迅速な査読を保証していないか(ヒント: 話がうますぎる場合は疑ってかかりましょう) |
Eメールによる招待 | ・編集者やスタッフのEメールアカウントは、出版社/ジャーナル固有のものか |
*ICV(Index Copernicus Value):疑わしいジャーナルの評価基準で、ハゲタカジャーナルが好んで使用しています。高名なジャーナルがICVをウェブサイトに記載していることはありません。
参考記事:
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Checklist-for-identifying-predatory-publishers.pdf
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