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研究者の疑問を解決!2015年のDr. Eddyへの質問トップ10
2015年も幕を閉じましたが、昨年1年間、研究者を悩ませてきた問題を振り返ってみるのも面白いかもしれません。昨年はDr. Eddyにとって、実にエキサイティングな年でした。Dr. Eddyの姿を借りたエキスパートチームはいつでも万全の体制を整え、世界中の研究者から殺到する質問に答えてきました。研究者の皆さんから寄せられる質問内容は、学術文書の書き方や出版に関するものなど、多岐に渡りました。昨年中に繰り返し質問があった上位3件のテーマ/分野は次のとおりです。
その他に質問が多かったテーマとして、著者資格(オーサーシップ)と所属、原稿の書き方、参考文献と引用、ジャーナルとのコミュニケーション、インパクトファクター、利益相反などが挙げられます。本記事では、Dr. Eddyに寄せられた上位10件の質問とその回答の要旨をご紹介します。全ての回答を読みたい方は、各Q&Aの元記事をご覧ください。
研究論文は、著者が行なった未発表のオリジナルの研究をまとめたものですが、レビュー論文はその分野で既に出版された論文について執筆したものです。研究論文の方が一般的ですが、レビュー論文も、現在出版されている文献の結果を要約する意味で、価値があるとされています。
2. 学会とジャーナルとに同じ研究を投稿する際の基本的なルールは?
1つの研究を学会とジャーナルに投稿することは可能です。しかし、二重投稿だという批判を受けないようにするためには、いくつか守らなければならないルールがあります。Dr. Eddyが細かな指針を挙げています。
単著論文では“I”を使うのが好ましいとされます。特に、実験を行なったりデータを収集するなど、著者が単独で行なったことに言及する場合は“I”を用います。"We"は、読者やその分野の全員について言及する時などに多少使うことができます。そのような場合、通常は受動態の構文が好まれます。
4. 2度目の査読が返ってくるのが早かったのですが、これはリジェクトを意味するのでしょうか?
2回目の査読は、特に同じ査読者に論文が送られた場合、1回目よりも迅速になるのが一般的です。査読が通常よりずっと速くても、必ずしも掲載拒否を意味するわけではありません。査読者があなたの修正に満足したことを意味する可能性もあります。
5. 「方法」の部分に2つの研究から同じ文章を用いると剽窃とされる?
一般的に「方法」部分では、同じような文章の比率が高めでも、査読者と編集者は許容します。しかし剽窃を避けるためには、最初に書かれた方の「方法」を参考文献として引用し、文章の言葉もできるだけ変えることが必要です。
その組織に雇用されていた時に研究を開始していた場合は、以前の組織を所属先とすることができます。そうでない場合は、無所属の独立した研究者として論文を出版します。
投稿前の問い合わせの手紙には、論文のタイトルと短い要旨を入れましょう。ジャーナルが研究を評価できるように、研究の範囲と深さについての情報、エビデンスの性質、そしてジャーナルがその論文に関心を持つと思われる理由を含めることが重要です。
参考文献について、標準とされる数や範囲は特にありません。参考文献の数は、そのテーマに関する文献がどのぐらい存在するかによって決まってきます。しかし、使用できる参考文献の数に制限を設けているジャーナルもあるかもしれません。この点については通常、執筆要綱に書かれています。
9. ジャーナル名が変更された場合にインパクトファクターを知る方法は?
ジャーナル名が変更された場合、新ジャーナル名で発行されてから2年経たないとインパクトファクターは出されません。それまでは古いジャーナル名でインパクトファクターが出されます。これは、一般公開されている今年度と前年度のJournal Citation Reports (JCR)で古いジャーナル名と新しいジャーナル名のインパクトファクターを探せば確認できます。
10. 金銭的な利益相反を開示しなければならない限度額はいくら?
ほとんどの国際ジャーナルは利益相反を開示すべき限度額を設定していませんが、Financial Conflict of Interest (FCOI)は、利益相反が生じる金額を5000ドル以上と定めています。Dr. Eddyは、何が金銭的な利益相反に該当するのかを詳細に解説しています。
原稿執筆や出版に関する疑問をお持ちではありませんか?混乱した状況に直面し、解決の糸口を見出せずにお困りではありませんか?気になることがあれば、こちらから質問を投稿しましょう。Dr. Eddyの姿を借りた論文出版のエキスパート集団から、すぐに回答が得られます。
Dr. Eddyとその仲間たちより、読者の皆様に新春のお慶びを申し上げます。2016年が皆様にとって良い年になりますように。今年もどうぞよろしくお願いいたします!
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