投稿先のジャーナルは2人以上の代表著者を認めているか?(ケーススタディ)

投稿先のジャーナルは2人以上の代表著者を認めているか?(ケーススタディ)

事例: ある共著論文の著者たちが、エディテージの出版支援サービスを利用してジャーナル選びを行なっていました。ジャーナルが決まり、著者たちは原稿をオンラインで投稿しました。しかし数日後、著者たちから、編集者による初期審査で掲載を拒否されたとの連絡がありました。掲載拒否の理由は、論文の内容や対象領域に関するものではなく、ただ、代表著者(corresponding authors)が2名であるとの理由でした。

著者はエディテージに、代表著者2名の論文を受理してもらえるようにジャーナルを説得するためのアドバイスを求めてきました。著者たちは、ジャーナルが1人の著者とだけと連絡を取り合うことを問題視しているわけではありませんでした。単に、その原稿を、代表著者2名の論文として出版されるようにしたかったのです。
 

対応: エディテージは著者に、全てのジャーナルが2名以上の代表著者を認めているわけではないことを伝えました。ジャーナルの投稿規定には、複数の代表著者を認めるかどうかは述べられていませんでした。著者たちが前もってこのことについて知らせてくれていれば、エディテージとしては、ジャーナルに投稿前の質問をすることを提案していたでしょう。

著者たちは、エディテージのサポートを受けながら、ジャーナルに「自分たちは出版論文の代表著者を2名として名前を掲載してほしいだけで、ジャーナルとやり取りをする上では代表著者1名で問題ない」ということを説明するためのEメールを書きました。

しかしジャーナルはこれを拒否し、この件に関して譲歩する様子は全くありませんでした。編集者は、代表著者を1名とすることに同意しなければ論文の審査は行わないと言い、一方の著者たちは、それには同意できないと言います。

その後著者たちは、他のジャーナル数誌に投稿前の問い合わせを行い、代表著者を2名として論文を出版したい旨を伝えました。そのうちの1誌が、2名以上の代表著者を認めていたので、著者たちはそのジャーナルに投稿し、論文は査読に回されてようやく受理されました。
 

まとめ: 2名以上の代表著者を認めるジャーナルもありますが、多くのジャーナルは認めていません。しかし、ほとんどのジャーナルは、代表著者の許容人数について投稿規定で言及していません。論文の代表著者を2名以上としたい著者にとって、これは問題となります。今回の事例では、著者はジャーナルの投稿規定に従って論文の形式を整え、準備に多くの時間を割いたにもかかわらず、代表著者を2名にするという点だけで論文が掲載拒否となってしまいました。複数の代表著者が認められるのかどうかをはっきりさせるためには、投稿前の問い合わせを行うことが望ましいでしょう。

共同研究が増えるにつれ、2名以上の代表著者がいるというケースは珍しくなくなっています。例えば、論文の異なる部分で2つの研究室が協力したとすると、読者からその2か所に関する質問に即答できるよう、各研究室に代表著者が必要とされることになるでしょう。また、第1著者(かつ代表著者)が博士課程在籍中の学生やポスドク研究者で、長期間その研究室に残るとは限らず、学術界にずっととどまるわけではないことがあります。2名以上の代表著者が必要となるケースとして、そうした状況はよくあることです。そのような場合、通常は研究室の主任研究員(PI)が代表著者となって読者の質問に答えます。あるいは第1著者が連絡不可能な場合に、文献に関する問い合わせなどに応えることになります。

ジャーナル側もまた、研究スタイルが変化するにつれ、著者のニーズも変化していることを理解すべきです。代表著者を2名設けることも、そのようなニーズの1つです。ジャーナルはこのような変化にもっとオープンになり、少なくとも投稿規定ではこのことについて触れるようにすべきでしょう。

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