アーベル賞2020:確率と力学を探求した2人の数学者に授与
数学界でもっとも名高い賞の1つであるアーベル賞が、2020年は数学者のヒレル・ファステンバーグ(Hillel Furstenberg)氏とグレゴリー・マルグリス(Gregory Margulis) 氏に贈られました。この賞を授与するノルウェー科学アカデミーによると、ファステンバーグ氏とマルグリス氏の受賞理由は、「群論、数論、組合せ数学において、確率と力学による用法を開拓した」ことです。
受賞者の2人は、純粋数学と応用数学の境界を超えることに貢献してきました。共同研究こそ行いませんでしたが、互いの仕事に刺激を受け、影響を受け合ってきました。ノルウェー科学アカデミーは、「確率論的手法とランダムウォークを独創的に使用して、数学のさまざまな領域の難問を解き、数学界に衝撃を与えた」と述べています。
ベルリン生まれのファステンバーグ氏は、米国で数学のキャリアを築き、2007年にウルフ賞を受賞しています。一方、モスクワ出身のマルグリス氏は、早いうちから数学の才能を現し始め、32才のときにフィールズ賞を受賞しています。
アーベル賞は、ノルウェーの数学者であるニールス・ヘンリック・アーベル(Neils Henrick Abel)の名を冠したもので、2003年に創設されました。受賞者には、賞金750万ノルウェークローネ(約62万5,000ドル)が贈られます。今回は、COVID19の世界的な広がりを受け、伝統ある授賞セレモニーは中止となりました。
参考資料:
Mathematics pioneers who found order in chaos win Abel prize
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