論文がリジェクトされたらどうする? 研究者の5つの選択肢

What Next After Manuscript Rejection 5 Options for Researchers

論文を出版するのは気の遠くなるようなプロセスです。著者は多くの場合、97%にも上る高いリジェクト率に対処しなければならず、アクセプトされるのは論文の10本に1本程度です。実際、審査プロセスがそれほど厳しくないジャーナルでも、アクセプト率が40%を超えることはめったにありません1。このことは、研究論文を書き、完成させるために何カ月、何年も費やしてきた研究者にとって、非常にやる気を失わせるものでしょう。論文のリジェクトには落胆するかもしれませんが、それが道の終わりではないことを覚えておくことが重要です。この記事では、論文がリジェクトされる最も一般的な理由を挙げ、研究者が取り得る選択肢を紹介します。

目次

論文がリジェクトされる主な理由

論文がリジェクトされる理由は様々ですが、ここでは査読者やジャーナル編集者が論文をリジェクトする際に言及する最も一般的な問題について簡単に紹介します。

  1. 独創性の欠如:ジャーナルは革新的で画期的な研究を掲載することを目指しています。反復的な研究や派生的な研究は、その分野に大きく貢献しているとはみなされず、リジェクトされる可能性があります。
  2. 対象ジャーナルの範囲との不一致:ジャーナルには特定の範囲や読者が存在するため、読者の目的や関心に合わない論文は、無関係なものとしてリジェクトされる可能性があります。
  3. 不適切な研究デザイン:研究デザインに欠陥があると、研究結果の有効性や信頼性が損なわれる可能性があり、研究課題に効果的に対処するしっかりとした方法論を優先するジャーナルからリジェクトされる可能性があります。
  4. 不十分な方法論の記述: 不十分な方法論の記述は、研究の再現性と透明性を妨げるため、リジェクトにつながる可能性があります。ジャーナルは、研究が他の研究者にも再現できるよう、明確で詳細な方法を優先します。
  5. 研究不足:提示された研究が、導き出された結論を裏付けるのに不十分な場合、論文がリジェクトされることがあります。ジャーナルは確かなエビデンスのある包括的な研究を求めており、不完全な研究や未発達な研究はその基準を満たしていない可能性があります。
  6. 文章の質が低い、またはスタイルやトーンが不適切:ジャーナルは、読者が内容にアクセスして理解できるよう、明確で簡潔、専門的な文章を重視します。つまり、言語や文法に過度の誤りがあったり、くだけたトーンであったり、専門用語が多すぎる論文は、リジェクトされる可能性が高いということです。
  7. 一貫性のない書式:ジャーナルには特定の書式ガイドラインがあるため、それを逸脱した論文はリジェクトされることがあります。書式が一貫していない場合、査読者や編集者の注意が内容から逸れ、細部への注意が欠けてしまう可能性があります。
  8. 研究の理論的根拠が弱い:論文は、研究の重要性と関連性を示すために、強い理論的根拠を確立する必要があります。研究の理論的根拠が弱かったり不明確だったりすると、研究の正当性の欠如を示唆することになり、リジェクトにつながる可能性があります。
  9. 倫理ガイドラインへの違反:剽窃、重複掲載、データの改ざんなど、倫理ガイドラインに違反する論文はリジェクトの対象となります。ジャーナルは誠実さと倫理的行動を優先しており、これらの原則に違反した場合、ただちにリジェクトとなり、より深刻な結果を招く可能性があります。

論文がリジェクトされた後、研究者にはどのような選択肢がありますか?

論文がリジェクトされると落ち込んでしまいがちですが、研究者はこの状況を改善するために現実的で建設的なアプローチをとらなければなりません。研究者にとって、自分の研究にまだ価値がある以上、前進するスキルを学ぶこと、より良い論文を投稿する方法を知ることは重要です。最初のステップとして、論文がリジェクトされた理由を見極め、選択肢を検討する必要があります。ここでは、リジェクトされた後に研究者がとれる5つの選択肢を紹介します。

1.ジャーナルに対して決定への異議を申し立てる

何らかの誤解や誤りにより、自分の論文が不当に拒否されたと思われる場合、または査読プロセスで重大な問題に気づいた場合は、その決定に対して異議を申し立てることもできます。異議を申し立てる際には、礼儀正しくプロフェッショナルな態度で明確な指摘を行う必要があるため、感情ではなく論理に基づいて行うべきです。

2.修正して同じジャーナルに再投稿する

修正が必要なために論文がリジェクトされた場合は、ジャーナルに再投稿する前に、修正を行い、査読者が指摘した懸念事項に確実に対処しましょう。

3.修正して別のジャーナルに再投稿する

論文がジャーナルの目的や範囲に合わないという理由でリジェクトされた場合は、時間をかけて、あなたの主要な研究分野や関連分野に焦点を当てた別のジャーナルを探しましょう。この場合、フィードバックに沿うように修正するだけでなく、新しい対象ジャーナルの著者および確実に満たすように修正する必要があります。

4.論文を修正せずに別のジャーナルに投稿する

自分の論文がリジェクトされるに値しないと思うなら、大幅な変更を加えずに別のジャーナルに投稿することもできます。しかし、専門家は通常、これを避けるよう勧めています。前回の投稿からの改善案を考慮しないと、次のジャーナルでの成功の可能性に影響する可能性があるからです。

5.ジャーナルの再投稿をやめ、他のオプションを探す

あまりないことですが、ジャーナルに再投稿する価値がないと思われる場合は、論文を完全に破棄することもできます。ただし、あなたの研究には依然として価値があり、収集したデータが他の人の役に立つかもしれないことを忘れないでください。そのため、あなたの研究がアクセス可能で引用可能となるfigshareのようなサイトに投稿することを検討してください。

論文がリジェクトされたからといって、それで終わりではありません。著者には、自分の研究を確実に見てもらい、さらには出版し、自分の選んだ研究分野をさらに発展させるための選択肢が常に用意されています。再投稿を選択した場合は、リジェクトされた論文を修正して再投稿する方法について、この記事を参考にしてみてください。あなたの作品が出版されることを祈っています!

参考文献

  1. Ghost, M. 11 Reasons Why Research Papers Are Rejected. Scispace, October 2021. Available online at https://typeset.io/resources/11-reasons-why-research-papers-are-rejected/

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この記事を書いた人

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